鬼と殺人鬼

□終わりのハジマリ
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「それにしても、家賊がこうして集まるんは、珍しいモンやな」


いつもは誰かがいない状態だったので、こうして家賊全員が集まることは、確かに珍しいことではある。
まぁ、それぞれの時間があるということなので、そのことに関しては何も言えないが。


「天変地異の前触れか何かじゃねぇの?」

「天変地異?なにそれ?面白いこと起きるってこと?」


憂識が呟いた一言に手を洗って帰ってきた祭識は、目をキラキラとさせていた。


「ほれみぃ。憂識がいらんこと言うから」

「………それで、なんで俺のせいになるんだよ((ボソッ」


ムスッとした表情を浮かべながら、タルトを頬張る憂識を見て、累識は笑っていた。


「それより、早く食べないと欺識兄さんが全部食べちゃいそうな勢いだよ?」

「あー!欺識のにーさん、俺のも残しといてよ!!」

「ちゃんと残しているだろ?」

「少なすぎるってば!!」


こんな所で、天然ぶりを発揮しなくてもいいだろうと内心思う楓識は、苦笑を浮かべていた。


「どうせなら、レンが作ったケーキでも食べる?」

「…………………」


滓識のその言葉に、少しの間、考えたような素振りを見せた欺識だったが、まだ食べたりなかったのか、コクリと頷いた。


「あかん!双識のはアカン!腹壊すだけじゃ済ませへんのやで!」


一歩間違えれば、死ぬ可能性だってある双識の作ったダークマターという名のケーキを食べようとする欺識を全力で止める楓識。



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