鬼と殺人鬼

□絡み始める運命
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「…………おい。なんか、こっち見てないか?」


累識の嫌な予感は的中し、化物は彼らの姿を確認した途端、襲い掛かってきたのだ。
楓識は滓識と祭識の腕を引っ張り、累識は空織を抱き上げ、とりあえず逃げることにした。


「ねぇ、スペアー。これって、なんかホラー映画みたいな展開だね」

「うぇっ…。なんか、大きなゴキブリにも見えてきた……」

「お前らは呑気でええな!それに、これがホラー映画の展開やったら、俺ら確実に死亡フラグやんか!!!」


ボケる滓識と祭識にツッコミを入れながらも、2人を連れ、最先端を走る楓識。


「でも、あれって本当に生き物?何かの撮影の道具とかじゃないの?」

「まぁ、道具であることを祈りてぇけどな。それより、お前は振り落とされないようにしっかり掴まってろよ」


口では、そんなことを言いつつも、累識は空織が落ちないようにしっかりと抱きかかえている。
得体の知れない化物に追い掛けられているというのに、こちらはかなり余裕そうだ。
そして、最後尾にいる欺識、礼識、憂識はというとーー


「なぁ、欺識。あれが道具だと思うか?」

「さぁな。壊してみれば分かるんじゃないのか?」

「はぁ!?お前、まさか」


彼がこれからしようとしていることに気付いた憂識は、驚いた顔をしている。



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