鬼と殺人鬼

□異端者
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そんな軽口が聞けるのであれば、まだまだ余裕だろうと滓識は2人のやり取りを見ながら、そう思っていた。


「……ねぇ、おにーさん。この霧みたいなの取ってくれない?」

「それは無理だな。悪いが、おとなしくしててくれ」


空織や祭識を抑えているのは、女性2人。
特に問題はないとは思うが、やはり妹や弟のことが気になってしまう滓識は頼むだけ頼んではみたものの、やはり無理なようだ。


「じゃあ、おにーさんがどのくらい強いのかは知らないけど、ハンデってことにしとく」


そう言ったと同時に、滓識は身体を拘束されているにも関わらず、隙を着いて男に向かって足技を掛けた。


「お前、その状態でも動けるのかよ((汗」

「寧ろ、俺はこの状態の方が動きやすい」


滓識の急な戦闘介入に、そのことを予測していなかった相手側は驚いた表情をしていた。
そんな中で、癖っ毛の男は欺識達の近くにいる女性に声を掛ける。


「ソラ、そいつらを抑えてろ」

「へぇ。あの子、ソラちゃん言うんか。けど、女の子1人で男3人抑えるのは、さすがに無理があるんやない?」


でもまぁ、あの化物を一瞬で仕留めたくらいだ。
少なくとも、手こずらせるくらいの可能性はあるだろう。



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