鬼と殺人鬼

□異端者
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『ーーだそうです。すみませんが、おとなしくしていて下さい』

「「「………………」」」


ソラと呼ばれた女性は、欺識に刃を、礼識には銃を、憂識には黒い陰のようなものが刃を向けた。
3人は何も言わず、黙ってそれに従う。


『抵抗、しないんですね』


助けに行くどころか、抵抗すらしない欺識達を不思議に思ったのか、彼女は不本意ながらもそう聞いた。


「おとなしくしろと言ったのアンタだ」

「それに、外野の助けがいるほど、アイツらは弱くねぇよ。実際、欺識に助けを求めてた楓識だって、まだまだ余裕そうだしな」

『…………グレン達が負けるとでも?』


その時、一瞬だけ見せた殺気。
相手が女だからと言って、少し甘くみていた憂識は思わず息を飲んだ。


「憂識、言葉を選べ」

「……………」


首元に刃を向けられているというのに、至って冷静な欺識は、憂識に向かってそう言い、憂識は黙ってソラから顔を背けた。
そんな弟を見て礼識は、ため息をつき、ソラと目を合わせて謝罪の言葉を口にする。


「弟が失礼なことを言って悪かった」


申し訳なさそうに眉を下げて言う礼識に、ソラは内心、混乱していた。



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