零崎一賊
□軍人零崎
2ページ/8ページ
客人そっちのけで、何やら言い合いを始める累識と滓識。
どうしようかと迷っていた2人だったが、前に進むべきだと考え、歩き出そうとした瞬間、また1人新たな人物がやってきた。
「累兄さん、滓兄さん。こんな所で何やってるの?」
「見りゃわかんだろ。余所者の追い出し」
「そんなことをしてるんだったら、私の相手をしてくれたらいいのに……」
その人物を見て、男は思った。
男にしては細すぎる、こんなので一体どうやって戦うのだろうかーーと。
「つーか、女のお前なんて相手にもなんねぇよ」
「おっ、女!!?きみ、女性なのか?!」
今まで男と思っていた人物は、実は女だったということに男は驚きを隠せなかった。
「なに?コイツのこと、男だと思ってたのか?無理もねぇって。だって、絶望的に胸がなーーいって!!」
空織は、ケラケラと笑っていた累識の腹を一発だけ殴ると、ふんわりと柔らかく笑ってみせた。
「申し遅れました。零崎 空織です。中佐に用があるお客様ですよね?ご案内しますよ」
「やはり、女性というだけあって、ちゃんとしているのね。あの失礼な男とは大違いだわ」
「あ?総理大臣っつっても、中身はただのクソジジィだろ。なぁ、そう思うだろ、空織。こんな奴等にわざわざアイツが会うことねぇってさ」
累識がそう言った後、空織の方を振り向いた2人は目を見開いた。
.