太王四神記

□物語の始まり
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「ゆ……き……、結城!起きろってば」


閉じていた瞼を開いてみると、そこにはクラスメイト兼親友である香が心配そうに結城の顔を覗き込んでいた。


「ん……。あれ?夢?」


伏せていた顔をゆっくりと上げ、周りを見渡すとそこは見慣れた教室風景。
キョトンとしている結城に、香は呆れたように肩を落としてこう言った。


「お前、朝っぱらからよく寝ていられるよな。ちゃんと寝てんのか?」

「昨日は、2時に寝た」


重たそうに前屈みになっていた身体を起こし、頭を掻きながら答える。


「それ、昨日って言わねーし。今日の朝に寝たも同然なんだよ!……たく、なんでいつも寝てるクセに、テストの点数はいいワケ?」

「それは、俺が天才だから」

「うわっ……、ムカつく言い方」


売り言葉に買い言葉。
しかし、これはこの2人にとってのじゃれ合いのようなものなので特に心配はいらない。


「あらら〜?もしかして、嫉妬かな?香くん」

「やっぱ、ムカつく。一発だけでもいいから、殴らせろ」

「やーだねっ」


寝起きとも思わせない程の早さで椅子から立ち上がり、結城は香から逃げ回る。



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