太王四神記

□交われない?
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「はいはい。喧嘩なら他でやる」

「だって、咲月が!」

「友達を大切に思うことはいいことだけど……って、朱凰くん!?どこに行くつもり?」


葵を宥めている隙に、教室から出ようとした時雨に気が付き、言葉を掛ける鈴木。


「屋上」

「転校初日からサボらなーーあっ、ちょっと!!」


鈴木の制止の言葉も聞かずに、時雨はそそくさと教室を出て行ってしまった。


「……行っちゃいましたね、先生」

「なんか……、くじけそう…」

「なら、俺が慰めてやろっか?!」


香が冗談ぽくそう言うと、周りからまるで汚い物でも見るかのような目を向けられた。


「香がチャラい発言した」

「信じられない。暫くの間、半径1メートル以内に入ってこないでね」

「はぁ?!俺の言葉のどこがチャラいんだよ」

「「全部」」


葵と真琴の容赦ない言葉が香のガラスのハートに突き刺さり、跡形もなく崩れて行ってしまった。


「……なんか、俺の方がくじけてきたかも」


ズーンと沈んでいる香の肩をポンポンと叩いてやる結城。
まぁ、慰めている筈のその本人は、楽しそうにしていたが。


「とりあえず、みんな。朱凰くんとも仲良くしてあげてね」

「「はーい」」



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