月明かりが導く者

□戸惑い
2ページ/6ページ


「ハルのお兄さん…、帝国軍の人なんだ……」

「帝国軍って、支配権持ってる奴らの事だろ?!」


こればかりは、月光狩のメンバーも、驚きを隠せなかった。
そして、それと同時に、春華が何故あそこまで機嫌が悪くなるのかも理解出来た。


「帝国軍を一番嫌っているのは、ハルちゃんですからね」

「その帝国に自分のたった一人の肉親が入ったとなると、苛立つに決まってるよな」


重たい空気が、5人にのし掛かる。
しかし――


「とっ‥、とりあえずさ、帝国軍の事は、これから調べて行こうよ!俺達は、俺達のやる事をやらなきゃ!!」


そんな重たい空気を破ったのは、友紀だった。


「友紀の言う通りだな。俺達は俺達のやるべき事をやるだけだ!」

「そうですね!ハルちゃんのお兄さんの事は、きっとどうにかなりますよ!」


友紀の言葉で、他のメンバー達も、いつもの様に前向きな考えを持っていく。
こういう場面での友紀は、ある意味で最強なのである。


「…………」


友紀達がワイワイ騒いでいる中、ソラは静かにリビングを出て行った。




.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ