闇夜に潜む猫
□紫雲と捺鬼
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「了解」
少々 嫌な顔をしつつも、そう返事をし、2階へと上がっていった。
家族、ということもあるが、彼女達は、あまり異性のことを気にしていない。
『起ーきろーッ!!』
『ギャァァアアアッッ!!!?』
その為、起こし方も独特なもので。
朝っぱらから酷い目に合っている和揮。
しかし、3人は見て見ぬフリならず、聞いて聞かぬフリ。
「あの起こし方と、和揮の声の大きさはどうにかしないと。……あと、由那と和揮の喧嘩」
事情を知っている為か、良くしてくれるご近所から、ごく稀に、苦情が来る事もある。
「とりあえず、早く朝ご飯食べろ」
「私、パンだけでいい」
「由那は?」
「いらない」
そう言って、由那は鞄を持つと家を出て行ってしまった。
その後を追うように、慌てて降りてきた和揮が出て行き、暫くして終が出て行った。
「ごっそーさん。……んじゃ、いってきま〜す」
「カイ〜、早く行こうよ」
「はいはい」
半ば、急かされるように腕を引かれ、海斗は家の鍵を閉め、奈織と学校へ向かった。
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