闇夜に潜む猫

□帰ってくる
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† † †

「(リト兄が、帰ってくる♪)」


ルンルンとしながら、奈織は教室内のことをしていた。
先に家を出たのは、今日、彼女が日直であったためである。


「ご機嫌だね、奈織ちゃん」


何処からか、そんな声が聞こえたので、周りを見渡してみると、扉の所に龍騎の姿が。


「祗王先輩。おはようございます」

「おはよ。ところで、何か良いことでもあったの?」

「え?」

「すごく嬉しそうな顔をしてたから」


そう言われ、奈織の顔は真っ赤になり、慌てて自分の顔を両手で覆った。


「もし良かったら、俺にも教えて?」

「えっと…。今日、お兄ちゃんが久し振りに帰ってくるから、それで」

「そっか。それは楽しみだね」


笑みを浮かべて、そう言った龍騎に、奈織も【はい!】と笑みを浮かべて返事をする。


「………そう言えば、その花の水やり、奈織ちゃんがしてるの?」


龍騎は、奈織が置いたばっかりの花瓶に目を向け、問う。




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