02/26の日記

22:42
初・他作品のパロ
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唐突に思い付いたネタです。
EREMENTARGERAD(エレメンタルジュレイド)のパロになります。
分かる方には分かるネタかと……(汗)

登場人物は雲雀とツナ♀だけです。


「他作品のパロなんて嫌」「女体化ダメ!」と仰られる御方は要注意してくださいませ。


以下、小ネタになります。











































追われている身とはいえ、たまには息抜きが必要。
そう思い、雲雀はツナを連れて、旅の途中で立ち寄った町の朝市へとやって来た。
顔が割れると後々面倒なことになってしまうため、二人して頭からすっぽりと顔が隠れる外套を身に付けて。
城から一歩も出たことのなかったツナは、朝から活気溢れる人々に触れ、美味しそうな果物に目をやったりなど、とても楽しそうに喜色の声をあげる。
そんなツナの様子を外套越しに見つめながら、雲雀は『連れてきて良かった』と、小さく微笑んだ。
エディルレイドの―――それも、世界に七つしか存在しないと言われる七煌宝樹というしがらみに縛られ、自由を奪われた少女。

城の中では虚ろな瞳をしていたが、今ではどうだろう。
普通の女の子として、キラキラと瞳を輝かせている。

やはりツナは、城の中で生きるよりも、多少険しくても、太陽の下で生きているが方が何百倍も美しいと、改めてそう思った。


「よぉ兄ちゃん!一つどうだい!?」


不意に、装飾品を扱う店主に声をかけられた。
普段なら無視を決め込むところだが、雲雀が足を早めるよりも早く、ツナが店主の呼び声に応えてしまった。


「うわぁ!どれもキレイ〜………!」


雲雀やツナがいた東国ではお目にかかれないような色彩鮮やかな装飾品が並べられている。
ツナは店頭に並べられた装飾品の一つ一つを見比べると、感嘆のため息をもらした。


「これ、ここにあるペンダントとかネックレス、全部お兄さんが作ったんですか?」


ツナの問いかけよりも『お兄さん』と呼んでもらったのが嬉しかったのか。
店主は片手で目頭を押さえると、勢いよく天を仰いだ。


「ッカ―――!こんなおじさんを『お兄さん』とはなぁ!十年ぶりに聞いたぜぇ!」


雲雀は思った。『あんたの場合は二十年前でも嘘臭い』と。
しかし、ツナの『お兄さん』発言に気を良くしたのか、店主は懐からある物を取り出すと、ツナに向かってそれを差し出した。
訳が分からず、ひたすらキョトン…と目を丸くするツナに、店主は半ば強引に手渡した。


「えっ?えっ?えっ?」


狼狽えるツナに、店主はニカッと満面の笑みを向けた。


「『お兄さん』って呼んでくれたお嬢さんにささやかなプレゼントだよ!持っていっとくれ!」

「え?でも………」


ツナは手のひらに渡された物と店主を交互に見比べた。
影を浴びてもキラキラと光を放つ宝石は、これまで旅をして来て一度もお目にかかったことのない、とても美しい宝石だった。
城、それも封煌苻が幾重にも巻かれた厳重な檻の中で生きてきたツナは、あまり物の価値を理解出来ないまま育ってしまった。
今は雲雀のおかげで多少の知識は身に付いたものの、それでも彼女にとって1億G(ガネー)する鑑賞用の壺も、花を飾る壺と相違なく捉えてしまう。
しかし、そんなツナでも『物に込められた想い』には何やら感じる物があるらしく―――。


「………ダメです、受け取れません。だってこれ、お兄さんの宝物でしょう?」


七煌宝樹としての能力か、はたまたツナ自身の勘なのか。
どちらにしろ、ツナには受け取れない大切な物だと判断したらしい。
すると、ツナの言葉に店主は驚いたのか、ほんのちょっぴり目を見開くと、先ほどの満面の笑みとは打って変わってどこか哀愁漂う微笑みをツナに見せた。


「いんや………それは俺には過ぎた代物さぁ………」


愛した女がいた。
だけど女は自身の命と引き替えに、足の不自由な男を助けた。
その宝石は、その女の形見だ―――。


「俺の見解だと、お前さんたちは訳ありの旅をしてるっぽいじゃねぇか?」


誰もが開放的になる朝市で、外套で姿を隠す人間はそうそういない。逆に目立つ。
店主の言葉に思わず身構える雲雀だったが、だから―――と、店主は言う。


「それは、旅の御守りみたいな感じで持っていってくれ!」


大切な人を守り抜く。
その想いが込められた宝石は、独り身の店主には何だか宝の持ち腐れのように思えて仕方なかった。


「で、でもやっぱり………私には………!」

「良いんじゃない?もらっておけば?かさ張る物でもないし」


言い淀むツナに、雲雀が会話に割ってはいる。
城にいた頃ならいざ知れず、今は追手から逃げ回ることが精一杯で、ツナに贈り物らしい贈り物が出来ない雲雀にとって、店主の申し出はある意味有り難かった。
それでも躊躇うツナの手を取り、雲雀はスタスタと前へと進む。
雲雀に逆らえないツナは慌てて店主の方を振り向き、「あ、ありがとうございます!大事にしますね、お兄さん!」と、周囲の喧騒に負けないくらいの大きな声でお礼を言った。
その言葉を聞きいた店主は、黒い外套の二人組に向かってヒラヒラと手を振った。












………あ、あんれぇー?
書きたかった戦闘シーンが一切合切抜けてますが………これいかに?(知るか)
これじゃあせっかくのパロも台無しだぁぁぁ〜!(泣)
というよりも、EREMENTARGERADをどれだけの方がご存知でいらっしゃるのか謎ですね…(滝汗)
小ネタに出てきた専用語の、簡単な説明をしますと…。


『エディルレイド』…己の肉体を武器に変えることが出来る種族のこと。体のどこか一部に「核石」と呼ばれる宝石が埋め込まれており、その核石を奪われると死に至る。通常の人間よりは長生きする。

『七煌宝樹』…エディルレイドの中でも最も強い力を所持する、七の血統のエディルレイドを総称していう言葉。能力は様々。


小ネタの補足設定としまして。
今より十年前、東国を治める国主に仕える近衛隊長の息子だった雲雀は、お城を探検中にツナがいる『荊の枷』(←すみません、これは勝手に考えました)と呼ばれる住み処に迷いこみ、ツナと出会います。
当初は好奇心だけでツナに近付いていましたが、年頃になるとツナへの恋情を自覚。
そして、ツナの身の上を知った雲雀はツナをお城から連れ出してしまいます。
ツナを狂愛している双子の兄・ジョットは怒り狂い、二人を探し出すよう臣下に命令します。
そこから二人は世界を旅するようになりました。


………前もって説明しないと分かりづらいですよね。本当にすみません(土下座)

雲雀とツナが力を合わせて戦うところが書きたかったのに……なぜにこんな感じに……?
当初の予定は雲雀でなくジョットで、さらにその次は炎真で、そして最終的には雲雀に落ち着いたという罠……。
本当にもう……EREMENTARGERADをご存知の方が見ても『なんだこれ?』と思うこと間違いないです……(汗)



☆コメント☆
[菫] 03-02 22:34 削除
EREMENTARGERADは好きなマンガの一つなんです!

まさか復活のパロで読めるなんて思いませんでした。

とっても面白かったです♪


クーやレンとの絡みも読んでみたいです。

難しいと思いますがぜひ連載してほしいです。

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