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□お寿司篇
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でも、そんなのは本当に束の間。

テーブルに載った山ほどの皿。
勿論空になった皿が10枚ずつ、積み上がってはいる。

が、寿司が載ったままの皿もまだまだテーブルを占拠している。


俺の胃袋は結構限界。


浦原さんは、さっきからお茶ばかり口に運んでいる。

「早く食えよ」

「アタシもういいっス」

言うと思った。

「食え」

寿司が載った皿は、ざっと数えて20枚。

「食べれないっスよー。胃が破裂します。これ以上食べたら3時間はトイレに籠もっちゃいます」

「食え」

浦原さんは唇を尖らせ、何を思ったのか両手に寿司の乗った皿を持つ。

「おい、バカ!!何やってんだよ、戻すな!!」

「えー。だってコレ、意外と普通だったから飽きちゃったんスもん」

「バカか!食べ残しをレーンに戻すな!」

「大丈夫ですよー。バレやしませんって」

今度は手付かずの皿を掴む。

「まだ手付けてないからって戻していいわけじゃねぇぞ」

「え?ダメなんスか?」

本気で戻そうとしていた浦原さんは、皿を置く直前で振り返った。

「アホか。ダメに決まっんだろ」

「ケチー」
「ケチじゃねぇ。常識だ」

「だってアタシ、もうお腹いっぱい」

しょぼくれる浦原さん。

「はぁ‥‥俺が食う」

俺の一言に満面の笑みを浮かべる浦原さん。

「黒崎サン優しいっスねぇ。じゃあアタシはそのうちにデザートでも食べてようかなぁ」


前言撤回。


「デザートが食えるなら、寿司食え!!」


「え?」


振り返るとそこには、すでにケーキやらメロンが所狭し並んでいた。




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