お題
□Undying
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Undying
「何を考えておられるのですかな?」
「永遠について、少しね」
「珍しいですな。科学者の貴方が永遠などを口にするとは」
「ボクだって夢くらい見ますよ」
「ほぉ、おぬしがそのような夢を見られる程繊細な心を持っておるとはな」
「酷いっスね。夢を見る自由くらいボクにも与えられてますよ」
「永遠など、端から信じておらぬくせに」
「そうっスね。でももし永遠があったら、ボクはきっとあの子の幸せを祈って生きていくんだなぁと思って」
「惚気じゃの」
「その惚気が続いていくなら、永遠だって悪くはないと思えるんスよ」
「叶わぬ夢じゃ」
「いいんス。永遠があるとすれば、それはきっとボクの心の中で、そこでずっと彼を祈ればいいだけっスから」
「貴方の口からそのような言葉が出るとは‥‥」
「そうっスね。でも、永遠って多分、誰かのために祈るこの瞬間のことですよ」