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□お寿司篇
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「回転寿司?」
「はい。一緒に行きません?もう少ししたら昼ですし、テッサイたちもいませんし」
「いいぜ」
俺たちは店に向かって歩き出した。
* * *
来たはいいが、横に座ったこの人は周りをキョロキョロして落ち着きがない。
俺はそれを気にしながら、プラスチック製の湯呑み二つにお茶の粉と湯を入れる。
「自分でするんスか?」
「当たり前だろ」
「もう食べてもいいっスか?」
「うん」
「このウニ、変な色してるっスよ?」
「ほっとけ」
「なんでケーキとかも回ってるんスか?」
「寿司に飽きたら食うんじゃね?デザートで最後に口直しとか」
「なんで回転寿司って回転してるんスか?」
「知るかよ。楽しいからだろ」
「え?黒崎サン、楽しいんスか?」
「子供が、楽しいんだよ」
馬鹿みたいな質問ばかり。
「浦原さん、来るの初めて?」
寿司を10皿程キープした浦原さんは、嬉しそうに目を細め、頷いた。
「一度来てみたかったんスよね」
無邪気に笑う浦原さん。
束の間、俺たちは寿司を堪能していた。