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□言ノ葉
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抱きしめたぬくもり
「朝起きて、アナタが目の前にいると、つくづく幸せ者だなぁって思うんスよ」
布団の中で、浦原サンは俺を抱きしめる力をほんの少し強くした。
「ねぇ、黒崎サン。アタシたちはあとどれくらい恋していられますかね?」
浦原サンはなんとなく震えたような声で、恋と言った。
「あとどれくらい、愛していられますかね?」
鼓動が、体の内側から響いてくる。
いつかしわくちゃで、真っ白な髪になって、浦原サンのことを忘れてしまっても、この心臓が動く限り、この人は傍にいてくれるのだろうか。
「黒崎サン。アナタが死んでしまったら、向こうでもこうやって眠ってもいいですか?」