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□03
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日記より。某メルトの替え歌に影響されました。
学パロです。

*

言ってしまった。
とうとう言ってしまった。
もう限界だった。
きみはこんなに近くにいるのに、手を伸ばせは触れられるのに、この想いを伝えることが出来ないもどかしさに耐えられなかった。
想いを伝えたときのきみのあの表情。
気持ち悪いって思われたに違いない。
返事を聞くのが怖くて走って逃げて来てしまった。

「ぼく、何やってるんだろう…」

雨がしとどに降り注ぐ。
傘はさっき放り出してきてしまったからびしょ濡れだ。
それでも構わないと思った。
もうきみは口もきいてくれないかもしれない。今までの関係でも十分幸せだったのにぼくは自分でそれをぶち壊したのだ。


ふわり、
目の前が急に白くなった。
あれ、真っ暗になるなら分かるけどなんで白いんだ?
それと頭に感じる優しい圧迫感。
雨にも濡れていない。

「っネズミ!」

見上げるとネズミがぼくの傘を片手に立っていた。

「ったく、何なわけ。言い逃げかよ」

頭の上にかぶせられたタオルでわしゃわしゃと乱暴に髪を拭かれる。

「ネズミ、痛い」

「うるさい。あんたびしょ濡れじゃないか。…で、陛下はおれの気持ちを聞かなくていいの?」

「…くない」

「は?」

「聞きたくない!
だって、軽蔑しただろ?気持ち悪いって思っただろ?
…いいから、もう忘れて。ぜんぶ、全然なかったことにするか」

一瞬何が起きたか分からなかった。
ぼく、ネズミとキスしてる…?

ゆっくりとネズミの唇が離れる。

「おれからの、返事」

「え?!…いま…え?」

「落ち着けって。何が言いたいんだよ」

「っごめん。その…信じられなくて」

「はいはい、良かったね」

自分の顔が熱くなるのが分かる。

「…ネズミ、好きだよ」

「さっきも聞いた」

「きみって素直じゃないよね」

「あんたが馬鹿正直なだけ」

その日はネズミと相合傘をして帰った。

*

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