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□beyond感想
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※ネタバレ注意


序盤はイヌカシの可愛さに萌え転がり(ショタイヌカシとか「あぁぁん」とか火藍ママとか!!)、中盤はネズミと紫苑の関係に悶え、読み終わった時には心が重くなりました。
紫苑はNO.6とは違う。
それを肯定したいのは、誰よりも信じていたいのは、ネズミではないでしょうか。
だけど、やはりそれは綺麗事に過ぎない。
「国家は国家」という紫苑の父の言葉は辛辣だけど、きっと本当のこと。そして紫苑は支配者になる運命から逃れられないのだろうなと思います。
ワインで酔っぱらう紫苑(絡み酒でおまけに呂律回らないってどういうことですか。鼻くっつけたりネズミの真似したり可愛すぎるだろぉ!)とかそういう無邪気な過去の彼が描かれているからこそ、紫苑の変貌に切なくなりました。かつては楊眠に歯向かったのに、結局紫苑も旧勢力を排除する選択を選ぶんだなあ、と。
でも紫苑は必死に自分と闘っていて、もがき苦しんでいるんですよね。正しい道が何なのか、誰にも分からないから自分で決断するしかない。
紫苑を諫め、包み込んでくれるネズミはもういなくて、それでも紫苑はネズミに焦がれ続け、再会を切望するのだと思います。
ですが、ネズミと紫苑は二度と会わない気がします。風の便りで紫苑の噂を聞いて、唇を噛みしめることになるのかな。
留まる者と浮遊する者。
NO.6に留まって問題に直面していく紫苑の立場は辛いものだけど、それを外から見るネズミの立場も辛いはず。
紫苑の父との出会いはその一つです。
ネズミは決してNO.6に戻ることはないけれど、常に紫苑のことを想っているのかなと思います。最後の場面は「六等星の夜」がすごく似合うと思いました。

NO.6は物語だけど、物語じゃなくて、だからハッピーエンドにはならないんだと思います。
ネズミと紫苑、二人が共に暮らしていた約半年間が二人にとって一番の幸福で、でもそれは既に過去だと思うんです。
このままでいられたらいいけどそれじゃあ何も変わらない。問題から目を背けたまま。
だから決別しなければならないんです。
あさの先生は結末を曖昧にさせる描写が多いし、漫才でも二人は離ればなれになったので、正直9巻読んだ時は「またかよ」って思う気持ちもあったのですが、beyond読むとやっぱり二人は別の道を進む運命だったのかなあと感じます。

ここまでぐだぐだと書き連ねてきたのはあくまでも私の考えで、NO.6の読者の数だけ解釈の仕方が
あると思います。
そんなたくさんの二人の未来を6番ファンで語るのが私の密かな夢です。とりあえずネタバレ防止のため我慢していたサイト巡りを復活させます(`・ω・)

二人にまた会えるのを期待してこれからももりもり創作するので皆様良ければ私の妄想にお付き合いください。

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