異世界迷子

□馬鹿騒動
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幸村が佐々木家に来てから二週間と2日
幸村との壁がなくなってから二週間と1日
つまり今日は7月第二週の土曜日


遠慮の度が低くなってからは
幸村は早朝に目覚める事はなくなりました

が、休日は愛美の目覚めが遅いので
幸村は愛美を起こしに行きます


「愛美殿、もう10時ですよ!」

幸村は愛美の部屋のドア越しに喋る

「………」

返事がないので、幸村はリビングへ戻ります


ガチャ

「愛美殿はいつ起きるのでしょうか…」

「愛美とは誰じゃ?」

「愛美殿はこの城主(家主)…」

「ほぉう…
で、幸村はここで何をしておる?」

「私は今からテレビを見ようと…
って!!政宗殿っ!?」

「今気付いたのか?馬鹿め」


リビングにはまた1人、異世界から来た武将がいました


「政宗殿、どうやってここに!?」

「知らん!!
気付いたらここに居たわっ!!」

「やはり、私と同じようですね…」

「ここには儂と幸村と愛美…とかいう奴だけなのか?」

「そうですよ?」

「そうか…」

「「………」」

いつの日かの微妙な沈黙が訪れました


「私、もう一度愛美殿を起こしに行って来ます!!」

「儂も行く」

「いえ、政宗殿はここで待っていてください!!」

「何故じゃ?」

「愛美殿が驚かれると思うからです!
だから、この部屋に来るまでに説明しとけば少しは驚きが減るかと…」

「…わかった、行け」

「はい、政宗殿はここに居てくださいね!!」

「わかっておるわ、馬鹿め!!」


幸村はリビングを出て、愛美の部屋に行こうとしました

ガチャ


「幸村、誰と喋ってるの?」

「愛美殿っ!!
おはようございます!!」

「お、おはよう?」

「ちょっとお話があるので‥」

「ならリビングで話して?」

「愛美殿っ!!」


バッドタイミングで愛美は起床し
幸村を押し退けてリビングへ入りました



「貴様が愛美か」

「………」

「愛美、儂もここで世話になるぞ」

「………」

「聞いてるのか?馬鹿め」

「幸村…誰、この人…?」

「この方は‥」

「伊達政宗じゃっ!!」

「また…増えた…」

「愛美殿!!」

「幸村…コイツを将磨の部屋に連れてって…
洋服着せて…」

「わかりました
政宗殿、ついて来てください!」

「何でじゃ?」

「えっと…」

「家を幸村が案内するから
ここに住むならちゃんと説明を聞いて」

「じゃあ貴様が説明すればいいじゃろ?」

「アンタと一緒に居たらストレス溜まりそうだからよ!!」

「何っ!?」

「アタシの言うことが聞けないなら出てって!!」

「フンッ、幸村行くぞ!!」

「あっ、はい!」


幸村の時とは違い、政宗に対して愛美は敵意丸出しの口調と態度です

「何なのよ…アイツ…」


愛美は将磨にメールをした

「新しく変なのが家に来て困ってる…っと」

─これからどうなんのよ…

愛美はテンションガタ落ちです

─幸村みたいな扱いやすい人なら良かったのに…
アイツ、絶対性格悪いわー


♪〜♪〜
将磨から返信が来ました

「またかよ…愛美1人で大丈夫か?
すぐには家行けそうにないけど…」

「幸村がいるから多分大丈夫よ…
何かあったら電話するから…っと」


─何もしてないのに倦怠感が…


愛美は大きな溜め息をついてソファーで伸びた
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