BlueDream
□相対性理論
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「……あつ…」
呟いて、わたしは下を見た。
今はもう下校時刻で、寮に戻って行く生徒。
今日の授業は午前だけ。
こんな暑い中、帰って勉強なんてやってられるか。
そんな事を考えながら、上を見上げる。
「よ、なにしてんの?」
「……っ燐!?」
急に声をかけられ、驚きながら後ろを振り返る。
「あれ?塾は?」
「サボり。つか、お前も塾行かねぇの?」
「たまには息抜きも必要かなって」
「ふーん」
あっそ、と燐はわたしの隣に腰を下ろした。
なんだよ。燐が聞いたんじゃないか。
「………あのさ、お前って雪男好きなのか?」
「は?なにそれ!?」
唐突な質問に、わたしは驚く。
「え、な。なんで急に?」
「いや、別に」
言って、燐はゴリゴリ君をかじる。
な、なんでいきなり……
「じゃ、お前好きなやついるの?」
「す、好きなやつ?」
「そ」
「……い、るよ」
「あっそ」
「……………」
なんなんだ?今日の燐はどうした?
まさか、しえみちゃんに告るとか?
「あのさぁ」
「は、はい!」
「俺、お前のこと好きなんだけど」
「……はい?」
「俺は、お前が好きなんだよ」
相対性理論
(わたしもあなたが好きです)
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