BlueDream
□悪魔と少女
1ページ/1ページ
「………つまらないなぁ」
はぁ、とため息をこぼしながら、わたしは横目で隣に力無く横たわる『それ』を見る。
ああ、わたしっていつからつまらないって思うようになったんだろうか?
疑問に思いながら、下を見下ろす。
規則や決まりに従って動く人間達。
そっか。
最初っからつまらないんだ。
そう納得して、わたしは立ち上がる。
ひゅうと少し強い風を感じながら、ドアのほうに向かおうと振り返った。
「………」
振り返ると、ドアの前に男がいた。
バリバリと音をたて、煎餅を食べている。
「ひみ、ふごいれすね」
「…………」
いま、この人なんて言った?
「もぐもぐ、ゴクン」
あ、飲み下した。
「キミ、すごいですね」
「………はい?」
「それです。キミがやったんでしょう?」
男は、わたしのすぐ横に転がる『それ』を指差した。
「すごいですね。その《死体》」
感情のこもっていない口調で、男は言った。
「ボクはアマイモン。《悪魔》です。キミ、おもしろそうなので、ボクのお嫁さんになりませんか?」
そう言って、悪魔は平然とわたしに近寄りキスをした。
殺人少女ととある悪魔
―END―