物かたり
□夜間学校
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起きると学校にいた。
ここどこ?
なにこれ?
わたし誰?
すぐに記憶喪失だってわかった。
カーテンを開けると外は真っ暗。
わたしは散策を始めた。
理科室にいた白衣の少女が言った。
「ここは夢の国。自分のしたいことができるの。牢屋だと言う人もいるけど、わたしはエデンだと思うわ。ねぇあなたの体も見てもいい?」
少女の顔には血が大量に付着していた。
右手にはメスを持ってた。
机にはお腹を引き裂かれた人間が寝ていた。
美術室にいた三つ編みの少女は言った。
「ここは夜の学校。壊れることは決してない。それは頑丈な塀ともいえるし檻ともいえる。わたしたちは出られない。ねぇ赤って素敵よね」
少女の瞳は真っ赤だった。
少女が描いた絵も只の赤の塊だった。
少女はそれを海だと言った。
体育館にいたバスケットをする少年が言った。
「ここは普通とは違う。全く違う。俺はこっちのがいいけど、君がどう思うかは知らない。なあ、ボールに空気が入らないんだ」
少年は人間の頭を持っていた。
ゴールに入った頭はゴスンと血を撒き散らして入った。
周りには様々な頭が転がっていた。