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□幸せのありか
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「んっ…あッ、ああっ」
馬車の熱に突かれ赤屍から艶やかな声が漏れる。
「赤屍……」
愛しい者の名を呼び、その髪を指に絡めて優しく頭を撫でてやる。
赤屍は硬く閉じていた目を開けうるんだ瞳で馬車を見上げた。
「……幸せか?」
時折不安になるから尋ねる。
この黒猫がいつか自分を離れて別の飼い主の所へ行ってしまわないからと。
赤屍は馬車の質問の意味が理解出来なく暫しの間、考え込んでから、
「幸せだからこうしてるのですよ?」
そう言いながら馬車の首に手を回す。
「そうでなければ、今頃貴方の首は飛んでいます」
首に回した手に力を込め上半身を起こし、馬車の唇に軽くキスをする。
「ここに居るか?」
「ええ、勿論」
「ずっとか?」
「ずっと…です。…しつこい人ですね」
まるで、子供みたいに尋ねてくる馬車の頭を赤屍は笑いながら撫でる。
馬車はその言葉を聞いて安心し、挿れたままだった己の熱を再び動かし始める。
「ひィ…ぁん…ぁあんっ」
ビクリ、と赤屍が背を反らす。
その光景を目に焼き付けた後、馬車の思考は熱い熱に呑まれた。
◆◇◆◇◆
「ん…」
馬車は肌寒さに体を震わせて目を開ける。見れば布団が落ちかけていた。
布団を元に戻し、寒さのせいでか体を丸めて寝ている赤屍を抱き寄せ自分の体温で暖める。
◆◇◆◇◆
決して離したくない腕の中にいる黒猫。
繋ぎ止めることは出来ないけれど、一分一秒でも側に居て欲しい。
[END]
*橘沙耶サマからのコメント*
プレゼントです。中途半端に終わってますけど…。私が書く馬屍ってこんなのばっかですね。もっと、砂どころか砂糖まで吐いてしまうくらいの甘いのが書きたいです。
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