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□蓮咲冬華サマより(屍銀/奪還屋)
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今は…とりあえず仕事の途中…。どっかの宝石会社の社長が展示予定だったスタールビーを何かのひょうしに盗まれたらしい。そのせいで奪還屋GetBackersに久々の仕事が入ったのだ。
「ったく…いちいちこんな事で呼び出すなってんだ」
車の運転席でぶつくさと文句を言う蛮。
「まぁ…いちぉーお仕事が入った分喜ばなきゃ」
それを助手席でなだめるようにする銀次。二人は前を走るトラックを追い掛けているのだ。見覚えのあるトラック…。仕事で良い思いをした事はないが…今回はまた格段と嫌な仕事になりそうだ。トラックにはどんどん距離を離される。
「しょうがねぇ…銀次!!前みたいに荷台に飛びうつれ!」
前に例があるせいか成功前提で考える。
「分かった!!」
アバウトな作戦にも関わらず快く引き受ける銀次。限界を越えるスピードにアクセルから異様な音もしているが…とりあえず前のトラックの横につける。
「行けッ!!銀次!!」
その一声をもとに荷台に飛び乗る。しかしその瞬間足下がグラッと揺れた。すると蛮が運転する車は瞬くまに離されて行く。銀次はその事に気づくが行動を起こそうとも飛び下りれば怪我をして終りだ。
しょうがなくも銀次は荷台の中に入れないかと必死に入口を探す。すると以外にも自分の足下に入口らしき物がある。もちろん銀次は深く考える事はせず、喜んで扉を開け、中にとび降りる。ドカッ…何か鈍い音が聞こえた。
「いってて…」
後頭部をぶつけたのか頭を抑えて倒れるが…それとは別に誰か居るようだ…敵だろう…全身真っ黒で……黒………
「赤屍ェェェエ!!!!!!!!!!?」
あまりの驚きに絶叫する、後頭部の痛みは何処へやら。
「これはこれは…銀次クン…」
相手はさほど驚いた様には見えないが…頭を抑えている所を見ると銀次がぶつかった物体は赤屍であろう。
「な、な、な、何でこんな所に居るんだよ!!!!!」
自分がここに来た理由も忘れ…
「それは私もようがあるからですよ…」
最もな意見…。物を取り返しに来たんだ、守護が居ても当然だろう。銀次はたった一人の存在で思考回路が故障していた。
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