GIFTS-book-

□無題
1ページ/6ページ

「次の仕事はある宝石を運ぶ事らしい…良いか?」仕事内容を話し始めているのはMr.ノーブレーキこと馬車。その内容を聞いているのは2人。1人はトラックの荷台に背中を預け寄りかかった体制で耳を傾けているレディーポイズンこと卑弥呼。もう1人は何の支えもなくただ立ったままの姿勢でメスを手に持ち磨ぎ始めているのはDr.ジャッカルこと赤屍。そんな相手の態度を見つつ馬車も溜息をもらすが…それ以上に溜息のもとがあった。「なぁ…この仕事…手を退かんか?」少々困ったように切り出す馬車。「どうしたのよ…いつもの馬車さんらしくないわね」「…それは…仕事の内容になにかありそうですね」何て目を向けずに言った言葉は図星で。「実はこの運び屋の仕事は女社長直々に頼まれたものでな、…周りの社員や幹部共に気付かれてはいかん品らしい…」未だに話が飲み込めない卑弥呼と赤屍は少々首を傾げる。その姿を見れば…短刀直入に「つまりわしらが女社員共と同じ格好をせにゃならん」と言われた言葉は大ダメージを与えたらしい。「つまり…女装ですか…」赤屍がひきつったような顔で言う。卑弥呼は別に満更でも無さそうだが…赤屍と馬
>車には一撃必殺に匹敵するダメージが入っていた。「でも…一度受けた仕事を放棄するのは…プライドに反するわね」一人だけヤル気満々の卑弥呼。「ちょっと待ってください…」引き止めたのは赤屍で「私達は元の顔が知れている可能性もあるんですよ?」もっともそうな意見を出すが…「…大抵…こう言う仕事って、奪還屋が関与してたりするのよね…」ボソリと呟いたこの一言はHP回復の薬となったらしく。「そうですね…げんに受けている仕事はこれ1つ…。やらなければお金も入りません…」もう言っている事はメチャクチャだがとりあえずヤル気は出たらしい。馬車と言えば…。こんなグループで個性の強い奴らがヤル気になっているのだ…。拒否権は用意されていない。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ