雷銀小説

もう一人の君
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「…消えろ…」

このエリアを荒らす者は…生かしてはいけない

“もうやめて…”

「邪魔をするものは全て消す…」

それが俺の役目…これが…“俺”の存在意義…

“…ッ!駄目ぇー!!”





「……銀次…?」
何故…そんな目で…見るんだ…?

銀次は何故か涙を目に溜め俺を見ている…

「…俺を守る為に…殺したんだよね…?」
「……」


またか…
銀次は人を殺す事を嫌う…例えそれが自分の身を守る為だったとしても…



「…お前を守る為だ…」
「…ッ…でも…!この人にも…家族が居たかもしんないのに…!!」
「何故…こんな男の心配をするんだ…?コイツは…お前を殺そうとしたんだぞ…?」
「それでも…!」

殺す事はない…と言うんだろう?
…お前は優し過ぎる……




「殺すなんて!…俺の為に…君の手を汚す事なんて…ないよ…」
「俺はお前を守る為に居るんだ…」

あの時…龍華が死んだ時…俺は誓った…もう二度と大切な人を死なせないと

「…コレが俺の生きる意味なんだ」
「…雷帝…」

お前は嫌だと言うのだろう…俺に俺の為に生きろと…だが…俺はお前を守る以外出来ない…

「俺がお前を守る…」
「…君は優しいね…」
「…?」
「本当は戦いたくないんでしょ?」

銀次が俺に近づいてきて頬に手を添える

「…何を…」
「“何故…俺を戦いに駆り立てる…”」
「…」

それは俺が先程、殺した男に向けた言葉…
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