雷銀小説

もう一人の君
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『雷帝ってのはどいつだぁ!!』
男はVOLTSの仲間をまるで遊ぶように殺しながら俺を読んでいた
『…誰だ…俺を戦いに駆り立てるヤツは…?』

…勝負を挑まれたら受けるしかない…そして生きたければ勝たなければいけない…それが無限城のルール

『お前の命を戴く!』

憐れな男だ…何も知らずに来たのだろう…

『…お前は俺に触れる事は出来ない…』
『ほざけっ!!』

俺はその男の方に手をかざした

『消えろ…』
『なっ!?かみな…ぎゃああぁぁぁ!!』

『…』

そして男は息を引き取った…

『何故…来てしまったんだ…来なければ…』
殺さずにすんだのに…




「君は本当は優しい人なんだよ…」

違うさ…

「俺は君に…雷帝に頼りすぎなんだ…」

そんな事はない…

「君は…君の為に…そして君の大切な人の為に力を使うべきだよ…」

俺の大切な人はお前(銀次)なんだ…

「俺は…」
「もう…やめてくれ…」

俺は無意識に銀次に抱きついた

「お願いだ…俺にお前を守らせてくれ…」
「雷帝…」
「俺はお前が大切なんだ…だから…」
「…でも…」
「俺はお前を見捨てたりしない!」

天子峰みたいな事は絶対にしたりしない
銀次を裏切るなんてしない…したくない…それが例え銀次の為でも

「……」
「お前は俺が守る…」


天子峰の事をだすなんて狡いとは思ってる…でも…

「銀次と一緒にいたいんだ…同じ事を感じて…触れて…」
「……………」




長い沈黙…破ったのは目を潤ませながら見つめてくる銀次だった



「でも…君は現実にいるわけじゃない…温もりを感じたくても傍に居ない…君に触れたくても触れる事は出来ないじゃんか…」

わかってる…俺たちは一つの入れ物の中にいる二つの魂だから…触れる事は出来ない…

「だから…」

一一せめて…一一

「精神世界(夢)の中で一緒にいてくれ…」

俺以外に君を守る人が現れるまで……

「一緒にいよう…」

そして…

「…此処はVOLTSの支配エリアだ…」

一一あの運命の日が訪れてしまった…一一

END
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