ありがとう鋼の錬金術師

□初恋〜ある男の話〜
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初恋 〜彼の場合は…〜







「恋がしたい!!」


大半の女はそんなことを言う



恋とはなんだ?


上辺では彼女達の理想とする優しく包容力のある紳士を演じている私だが、そんなもの本当は理解出来ない



女の恋とは男に真心を求める


だが真心があるのは愛だけだ



男はいつだって「君に恋をしたんだ」と甘く囁き身体を弄ぶだけ


だから男にとって恋と言うものは、都合の良い女への下心しかないんだよ




私が優しく囁くだけで簡単に脚を開く女達



恋がしたい。

あなたの愛が欲しい。



そんな事を言っているのに、簡単に身体を開くなんて矛盾していないか?



私は女と言う生き物に疑問を抱きながら、近寄る女たちと適当に楽しんでいた



一生このままだと思ってた




ただ一緒にいるだだけで幸せを感じ、相手を思うと胸が苦しくて、その気持ちが伝えられなくてもどかしい…


純粋無垢な少年少女が感じる気持ちを私は知ることはないと思っていた



あの日彼に出会うまでは……













*******


「何を…したんだね。君達は!!」


大人の錬金術師を探しに行った




「ごめんなさいごめんなさい‥」


探していた人物は不在で代わりにその家にいたのは子供だった



激しい錬成光を見つけその光を発する建物に近づくと、年端もいかぬ少年が人体錬成をしただろう現場に居合わせた


人体錬成をしただろうと思ったのは、見たこともない錬成陣とヒトの形をし得てない生き物がいたから


それが失敗に終わったことが分かった




そして少年は禁忌の代償として、弟の身体と自らの身体の一部を失っていた


絶望した目をした彼に私は可能性を示すことにした


正しい道ではないかもしれないが、選ぶのは彼だ



「私は君達に可能性を提示する。」


私の言葉に反応しないように見える少年


だが私には諦めていないように見える


あぁ…なんて熱い瞳なんだ


見た目はこんなに幼い子供なのに、大人のような眼差しをしている

諦めない…


言葉には発していないが、そんな言葉が聞こえる気がした




彼はどんな風に育ちどんな大人になるのか…

このわくわくする高揚感は彼の将来に対する期待


執着など今までなかった私は、初めて彼に興味を持ち執着した









「来ると思ったよ」


「とーぜん!!」



彼がそう憎まれ口を叩いてから何年が経っただろうか…



*********


「たーいーさ!!いつまで寝てんだよ!!」


国家錬金術師を狙った凶悪事件が起こり資料室で調べものをしていたらいつの間にか眠っていたようだ



「あぁ…朝か」


あくびしながら身体を動かす



…懐かしい夢を見たな




「ったく!!至急報告書届けろとか言ってたくせに(怒)」


頬を膨らませて怒っている少年


怒っているのに私には彼がなんだか愛らしくみえた


「ッフ。悪かった。
すぐに戻るから執務室に出して置いといてくれ。」

思わず口元が緩んだ


何だ?この感じ…


彼と接してると最近このなんとも言えない気持ちになる


これが何なのか私には分からないでいた





「Σあ!!(怒)何か今馬鹿にしただろ?!」


「あぁ♪鋼のは相変わらず小さいなと思ってな+

この軍部一イイ男のロイ・マスタング様の眩しい輝きの前には君の姿は見えにくいのだよ+」

遠くを見る仕草をするロイ


「んだとコラ(怒)クソジジイ!!(怒)だぁれがウルトラハイパードチビか!!(怒)」
ロイに食ってかかる鋼のことエドワード・エルリック


言い争いになったところでロイは首根っこを掴まれた



「Σぐはッ!!ちゅ…中尉;;」


「軍部一仕事を溜めている大佐vV早く片付けしましょうか??」


笑顔で拳銃を上司に突きつける リザ・ホークアイ

とても優秀な部下だ


「…はい;;」







無能な上司は両手を上げて降参するしかなかった


その姿にエドが笑ったのはいうまでもない



*******





「それで?オレをセントラルに戻した理由は?」


ソファーに座り脚を組み仕事が落ち着いたロイに問う




「今、各方面で国家錬金術師ばかりが狙われる事件が起きている。
事件が片付くまでは、鋼のは軍の施設で待機!!
しばらく外出禁止とする。」



ドン!!とオートメイルの手がロイの机を叩く



「外出禁止なんて冗談じゃない!!犯人捕まえりゃ良いんだろ?すぐにオレが…「鋼の!!」」


エドの言葉を遮るとロイはエドを睨む



「これは命令だ!!反論など許さない!!」

「でも!!」

文句を言いかけたエドにロイは一枚の紙を渡す
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