稲妻

□優しい嘘
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「鬼道さん!!」


「なんだ。佐久間か。」


「鬼道さん好きです!!」


顔を赤らめて叫ぶ。


「あー…。」


もう何度と言われた言葉だ。


「そろそろ返事を聞かせて下さい!!」


未だに返事を答えていない。


「俺は…。
お前の事が好きではない。」


佐久間は今にも泣きそうな顔だ。

当然だろう。


「そう……ですか。
ありがとうございました…。」


力のない笑顔を浮かべ立ち去ろうとする佐久間。

鬼道に背を向けた瞬間、腕を掴まれた。


「今日は何の日だ?」


「……………え?」


驚いた佐久間の顔はキョトン、としている。


「お前の誕生日、だろ?」


「……え?」


「俺も佐久間の事が好きだ。」


「鬼道さんの馬鹿ー!!」


うわーん、と泣き出してしまった。


「わっ、悪い。
源田に返事はすぐはするなって言われて……。」


「あの糞ライオン野郎!!」


「それで今日返事すれば一生忘れないだろうって。」


泣きながら怒る佐久間にあたふたする鬼道。


一度落としてから上げる。
古典的なやり方だが佐久間には効果抜群だ。



END
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