復活
□過去篇
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偶然と必然
思えばこんなことが起こりうる可能性は考えたことがあります
幾ら日本が安全だからと言っても裏ではどうなっているかぐらい理解していたつもりです
それでも、もしかしたら自分とは無関係なのかもしれないと、今は大丈夫なんだと思っていたのかもしれません
そんな甘い考えをしていた自分を殴りたいと今心の底からそう思いました
これはまだ序章に過ぎない
これはまだ俺が小学生の頃の話
父さんがいなくなって少し経った頃の出来事でした
* * * * *
珍しく体の調子を崩してしまっていました沢田綱吉です
『ゲホゲホッ!』
「綱吉風邪?休まなくていいの?」
登校中に恭弥は俺の顔を覗き込んで心配そうな顔をしていました
普通の人が見たらただの無表情に見えるけど俺にはその変化が分かるんですけどね
『平気へーき!
ちょっと喉が痛い程度だから気にすんな』
「そう?ならいいけど…
辛くなる前にちゃんといってよ?」
『分かってるって!心配性だなぁ…』
そういうとムスッとしてしまい機嫌を損ねてしまったようです
恭弥は先に学校に行ってしまいました
置いていかれた…、
風邪なんか引いて母さんにも恭弥にも心配かけたくないのだけどもどうやら俺の空回りのようですね
だって今日母さんと恭弥のお母さん―弥生さんと出掛けるって楽しみにしてたんですよ
それを俺がちょっと体の調子が悪いからって中止させるのは忍びないです
ちょっと喉が痛くて体が怠くて熱っぽくとも…、
今日くらいなら大丈夫です
明日は幸い土曜で学校は休みなんですから悪化したとしても一日中薬飲んで寝てれば治るでしょうし
今日だけ、今日乗り越えれば大丈夫なんです
そういえば今日は勘があまり働かないようですね
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