復活
□世界を超えて
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平和な、平凡な、昨日と同じ日常になるはずだった
これは俺がこんなことになる数時間前―…
「おい、宿題の邪魔するなよ!」
「煩いんだもんね
早く遊べー!」
ツンツン頭で蜂蜜色の髪をしたひ弱そうな少年と、アフロ頭の牛の柄の服を着た子供が少年の部屋にいた
少年は宿題をするため机に向かうがそのすぐそばで子供が遊んで欲しいと要求する
宿題をしないと今は家にいない少年の家庭教師にお仕置きをされてしまう
だから少年は急いでやろうとするが難しくて解けずに頭を抱える
そして、唯一家にいた子供はお昼寝から起きたら誰もいないため少年に遊んで欲しいと要求する
勿論子供は少年の思いなど全くの無視である
「どうしてこいつも買い物に連れてってくれなかったんだよ!」
頭を抱え叫ぶ少年は買い物に出かけた母親や居候たちを思い出して怒りをぶつけた
中々遊んでくれない少年に子供は痺れを切らしたのかその場で寝転び、遊べー!と駄々を捏ね始めた
ここまでされたらもう仕方ないと思い、宿題を諦め子供と遊ぼうとしたその時!
ガンッ!ガコッ!
子供は机の角で頭をぶつけてしまった
そして、ドカンッ!
「…え?」
子供が頭をぶつけたと同時にその子供の所有物、“10年バズーカ”と呼ばれる10年後の自分と10分間だけ交代できる代物である
しかし、子供が頭をぶつけた時、一緒にぶつけて故障してしまったことを少年は知らない
少年はバズーカに被弾して“ここ”ではない“どこか”へと飛ばされてしまっていたのだから
少年がいなくなったことに気付いた子供の声が空しく消える
「……ツナ…?」
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