復活

□表裏の対極
2ページ/7ページ





「…ふーん、じゃあこの世界の綱吉は何処に行ったの?
さっきまでここに居た筈なんだけど、」


「も、もしかして俺の世界に行っちゃったとか…?」


「それは君の超直感かい?」


「多分…自信はないですけどそんな気がします」


「それなら十中八九そうだろうね」



全部を説明し終わるまで雲雀は話を聞いてくれた

途中で咬み殺されるのではないかとビクビクしていたがそんな心配もなかった



「でもよくこんな話信じる気になりましたね」

「パラレルワールドを信じるなんて普通じゃありえないって言いたいのかい?」



馬鹿げた妄想の様な話

納得している雲雀を見てそう思ってしまった



「…はい、俺は超直感があるから理解は出来ましたけど…」


「生憎普通じゃない奴の右腕を昔からやってるからね、慣れたよ」


「慣れ…ですか」


「………慣れ、だよ」



雲雀は部屋に備え付けられているキッチンへと足を運ぶ

今の雲雀の言葉はなんだかとても重く感じた

大変なんだな、何となくそう思う



「…まぁ、前も帰れたってことは綱吉もその内帰って来るだろうし君も帰れるはず
好きに寛いでいけばいいよ」

「いいんですか?」



てっきり出て行けと言われると思っていた

どの世界でも雲雀は雲雀なのだから厄介事は排除すると考えだと思っていた



「僕の邪魔をしないなら好きにすればいいさ
悪いけど仕事があるからこれで失礼するよ
赤ん坊には連絡しておいたからそのうち来るよ、」



雲雀はツナの傍に温かいミルクティーを差し出した

流石に一人でこの場所にいるのは暇だと思っていたので雲雀の気遣いに感謝する



「ありがとうございます!」



雲雀はそのまま部屋を出て行った



「(なんていうか…物腰が凄く柔らかいな…、やっぱり世界が違うんだって)実感するなぁ…「何を実感するんだ?」

「うおっ!リボーン!」



何の気配もなく突然隣に現れた人物―リボーンにツナは驚いた

ツナは無意識に肩の荷を下ろした

自分の知っている存在と同じはずなのに違う人物に無意識に肩が強張ってしまっていたのだ



「ちゃおっす、異世界のツナなんだってな、お前」

「?!なんでこんなにこの世界の人って飲み込み早いんだろうか…、」



挨拶をするようにサラッッととんでもないことを言うリボーンに驚く


突拍子もないことなのになぜこんなに受け入れるのが早いのだろうか



「そりゃ普段傍にいる奴が規格外な事しかしねぇからだ」



雲雀も言っていた“普通じゃない奴”と同じ人物のことだろう

思い当たるのは…、

「それってもしかして…将軍の事?」



もう一人の自分―将軍のことであった

将軍も俺を受け入れるの早かったな…というか俺を見て直ぐに何が起こったかを判断できていた

超直感があったとしてもそう簡単に物事を簡単に理解出来るのだろうか



「それ以外にまだいるなら俺は確実に…死ぬぞ、胃を壊してって意味で」



リボーンの目は虚ろであった

もしかしてさっきの雲雀も同じような目をしていたのかもしれないと思った



「…そんなに凄いんだ…、」

「凄いなんてもんじゃねぇぞ、アイツ…」



関心した声を出せば畳み掛けるかのごとく続けるリボーン



「そ、そうなんだ…」

「アイツはな…、」

「(愚痴が始まっちゃんったんだけど…、この世界のリボーンは何と言うか…苦労人?)」

「おい、聞いてんのか!」

「は、はい!!」



ツナは自分ではない自分の話を、苦労話を聞かされる羽目になった

説教されたり脅されたりするのも嫌だがこれはこれで嫌な気がするとツナは感じていた





次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ