復活

□表裏の対極
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『…っと、…なんだ?』



急に何かから吐き出されたような感覚

無意識的に受け身を取っていたせいでどこかを痛めることもなく着地する少年



『何処だここ?…見たことあるいつもの風景のはずなのになんか違和感を感じる…』



少年は周りの景色を見ながらひとり呟く



『………、異世界かここ』




持ち前の超直感をフル回転した結果、異世界だと感じたようだ

よくそれで納得できたなと突っ込む人間はいない

そして少年―“沢田綱吉”は目を瞑って深呼吸をした



『…となりゃ、どんな風なのか探検しないとな』



ニヤニヤと笑いながらとてつもなく楽しそうである



『ばれるのはまずいだろうから…変装!ってか?』



持っていた立て眼鏡を掛けワックスで髪をクシャクシャといつもの自分ではないアレンジをする

そして制服を少し着崩して誰でもない誰かへと変装する将軍



『こんなの恭弥にばれたら殺されるな…風紀を乱すなって』



今は傍にいない右腕を思い浮かべながらもやめるつもりはない様子だ



カキーンッ



「山本ー行ったぞ!」

「了解ーっす!」


音に反応して近くの窓から外を眺める

将軍は現在並中2-Aの教室にいた



『…異世界の武か…どの世界でも野球が好きなのは変わらないみたいだな、』



そっと眺める様に見下ろしていたが将軍は別の場所へ向かうべく踵を返す



「…ツナ?」





「極限ー!!」



ボクシング部の部室前を通ると外からも聞こえる叫び声


『相変わらずボクシング馬鹿なんだな、了平は』



開いていた窓から顔を出せば楽しそうな了平の姿

一目見て満足したのかそのまま学校を出て行く将軍



「ん?沢田がいた様な気がしたんだが…気のせいか?」





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