復活

□旅行篇
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「…で、何処に行くつもりなんだ?」


『んー?チェルベッロのところだよ』



恭弥はずっと咬み殺す!を呟いていて俺は一心不乱にパソコンを叩く

まだやるべきことは終わっちゃいないんだよね

時間も惜しいし移動時間も結構掛かるしその間を上手く使って行かないとね



「…なんとなく読めたぞ」


『やっぱり分かっちゃう?
御存じ並中の修繕に不満があるからそれについての殴り込みをしに行くって訳』


「まさかそれが目的でこの旅行を?」


『そんな訳ないでしょうが、他にもやることたくさんあんの』


「何を企んでんのか知らねぇが碌でもないことはするなよ?」



リボーンは愛用する銃を磨きながら俺を見た

碌でもない事ねぇ…、しない保証は出来ないな

何が碌でもない事か分かんないし?




*  *  *  *  *




『とうちゃーく!!』


大きな屋敷のような建物

森の中にあったので中々探すのに一苦労

幻術なんかで囲ってあったけど超直感で難なく突破

それにしても飛行機で移動して直ぐ車で移動だもんなー

あちこち痛いよ…

特に腰とか…もうバキバキだよ



バキバキッ!



『………』



この音は俺じゃないよ?

俺の隣にいる恭弥から聞こえた音なんだよね!

……怖いよ?!

リボーンドン引きだよ?!

運転手さん顔真っ青だよ?!

でも悪いけどここで待っててもらわないと帰りが困るからねぇ…

あーでも…、



『3時間後に迎えに来てもらってもいいですか?』



運転手さんには僅かばかりのチップを渡す

即座に走って逃げやがった

もし迎えに来なかったら会社潰す!…とか全然思ってないよ?



『…んじゃまぁ…行きまガシャーンッ!!…ちょっと待てやゴラァ!!』



俺の止める声も聞かず恭弥は屋敷へと文字通り殴りこんでいった

リボーンの憐れんだ目が心に沁みる

段々破壊音と共に人の叫び声も聞こえ始めた

チェルベッロの皆々様申し訳ない

でも…自業自得だから俺何もいない

唯一つ言えるのは、



『当たられるのが俺じゃなくてよかった』


「お前って本当にいい性格してるよな…、」



ため息交じりでそう言うリボーンを引き連れ俺も屋敷の中へと入る



『お邪魔しまーす』



一応そう言いながら玄関から入るとそこは阿鼻叫喚、地獄絵図

物と言う物が破壊され尽くされている

これは凄い…



「た、助けてくれ!」



死人が出てないのがおかしいレベルだ



「足が!俺の足が…!!」



無意識に人を殺さない程度に痛めつけているのだろう



「うわぁあああああ!!!化け…『死にたくないならそれ以上の言葉は言わないことをお勧めするよ?』……っ!!!」


「鬼畜野郎が」


『あらあら、気絶しちゃった
その言葉、褒め言葉として受け取っておくよ?』



恭弥はただの人間だ

化け物なんかじゃない

それにここは裏社会、死ぬ覚悟があるものが生きる世界だろう?

見知らぬ他人に助けを乞うなんて馬鹿馬鹿しい

破壊音がする方へ歩みを進める





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