復活

□まるで天気の様
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平凡な昼下がり

特にやらなければいけないこともなく平和に授業を終えそろそろ帰るかと席を立つ

武は部活、隼人はシャマルのところに用事があるようで既にいない

暇だし恭弥のところにでも行くかと考える

そういえば今日はリボーンがいないな、

応接室に向かう道すがらそんなことを考えていれば…

なんだか猛烈に嫌な予感がした

え、ここにきて超直感は何を俺に伝えたいわけ…?



「綱吉、」



足を止め考え込んでいると応接室から恭弥が出てきた

不機嫌な顔をしているのが額に皺が寄っているので分かる



「来て、」



どうやら超直感の嫌な予感はこれから起こるらしい

面倒なことになりませんようにと願うが…、まぁ無理であることは分りきっている




*  *  *  *




応接室に入り恭弥に無言で電話の受話器を渡された

不審に思いながら受け取る



『………もしもし?』


「お!やっと綱吉になった!もしもーし俺俺!!」



とてつもなくテンションの高い話し相手

俺俺、で通じてしまうと言うか聞き覚えのある声



『一体俺に何の用だ?―ベル』


「シシシッ!正解!さて問題です、今どこにいるでしょーか?」



はぁ?と言おうとした瞬間



ババッババ!



割れんばかりの凄まじい音が鳴り響いた

音の出どころを見ると校庭にヘリコプター



「正解は綱吉の目と鼻の先にあるヘリの中でした」


『勘弁してくれ、』


「咬み殺す!」


額に手を当てる俺と殺気立てる恭弥

大勢のギャラリー…基部活に勤しむ学生たちに避難するように声を掛けながら歩みを進めた



「よっと!シシシッ!
久し振り、綱吉に恭弥」



ヘリから下りて片手をあげ挨拶をするヴァリアー幹部、嵐の守護者ベルフェゴール

隊服を着ているところを見ると仕事終わりか前に寄った様だな



『突然来るなんて驚いたぞ、しかもこんなところに』


「近くに着陸できるスペースがなかったからここにしただけ、
ちゃんと事前に電話しただろ?王子偉い!」



風紀委員を総動員にして並中生は速やかに家に帰宅するように伝えられたお蔭か人っ子一人いなくなった様子

相変わらず手を回すのが早いな、恭弥は



『あの電話だけじゃわかる訳ねぇよ』


「サプライズで来てるんだから分かったらつまんねぇーじゃん」



シシシッと独特の笑い声で笑うベルに頭を抑えた俺は先程の嫌な予感はこれかと結論付けた



『何か用事でもあったのか?』


「んにゃ、何もねェーよ
ただ隣の国で任務があって泊まったのがこっちでさ、ついでに寄ってみただけ
あ、王子綱吉の料理食べたい!」



何処までも自由なベルに思わず溜め息を吐く俺に恭弥

もうどうにでもなれとベルを連れて家に帰ることにした

途中で寿司も食べたいとか言いやがったのでもう全員巻き込んでやれと片っ端から連絡を入れた

商店街で買い物をするのに連れて行こうと無理矢理ベルを引っ張って行った



「なんで王子が荷物なんて運ばなきゃなんねぇーの?」


『あ?お前が俺の手料理食べたいって言ったんだからそれくらいしろ
恭弥だって黙って持ってるだろうが!』


「いつものことだからね、僕の場合」



恭弥はいつも一緒に買い物に行くと何も言わずに荷物を持ってくれる

紳士だねぇ、



『それに比べて…』


「王子だって荷物くらい運べるし!」



どうやらこの王子は恭弥に比べられるのが嫌いみたい

並中最強の風紀委員長雲雀恭弥と王族出身の王子ベルフェゴールに買い物袋を持たせ前を歩く俺

なんつーか、知ってる人間が見ればすげぇシュールなんだろうな



『そろそろ家帰っぞ』



言い合いをする二人に声を掛けるが言い合いは終わらず家まで続いた





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