復活

□未来篇
3ページ/123ページ



「10代目ぇ?」



突然10年後の隼人が煙で見えなくなったかと思えば今度は俺の知っているくらいの隼人が現れた



「あれ?いつもの10代目…?俺10年後に来たかと…、」



隼人はキョロキョロ辺りを見回していた



『…ここは確かに10年後で合ってる、』


「なんだ、やっぱりそうなんス…?!何のつもりですか?!」



俺は警戒心が緩んでいる目の前の男の首を締めながら首筋に警棒を押し当てた



『俺の知っている獄寺隼人という男は俺、沢田綱吉の事を“10代目”とは呼ばない
お前、何者だ…?』


「俺は正真正銘獄寺隼人ですよ?!
どういうことですか?!」



先程の10年後隼人も俺を“10代目”と呼んでいた

そしてこの今俺の前にいる隼人も“10代目”と呼ぶ

しかし俺の知っている隼人は俺を“綱吉さん”と呼ぶ

どうなっているんだ?

隼人が間違えるはずなんてないし…、

超直感が嫌な予感しか感じない…、



『俺の質問に答えろ、いいな』



コクンと頷く男…どうやら頭の回転は速い様だ

どうすればいいのか分かって黙って従う事を選んだみたいだ



『お前の知っている10代目、沢田綱吉のテストの最高点はいくつだ?』


「確か…60点でした、期末テストの国語」


『守護者の呼び方は?』


「山本、雲雀さん、お兄さん、ランボ、クローム、骸…獄寺君」


『六道骸は今どこにいる?』


「牢獄の中」



……本当に嫌になる、

超直感が外れたことはなかったけど…今回ばかりは外れて欲しかった

いや…今回こそ、だな

俺は男を離しその場に座り込んだ



「…10代目?」


『すまなかったな、』


「いえ…今気が付いたんですが、“いつから眼鏡なんて掛けていらっしゃったんですか?”
それにその話し方…」



純粋な目が俺を貫く



『それが答えだ』


「?」



意味が分かっていない男は首を傾げている



『俺はお前の知っている“沢田綱吉”じゃない
違う世界の“沢田綱吉”だ』


「?!!?!」


『一つ、俺はテストで95点以下の点数は取ったことがない
二つ、俺は皆の事は名前で呼んでいる
三つ、骸は俺が牢獄から出した
四つ、俺は中学上がる時から…お前に会う前から眼鏡を掛けていた』


「そんな…!」


『信じられねぇか?だがこれは事実
超直感がそう俺に訴えている』



理解が出来ないといった表情

無理もない…俺も未だに混乱している

そしてこの10年後の世界も恐らく俺の世界と違うのであろう



『俺がこの時代に、世界に飛ばされて10分以上経過し、お前がこの世界に飛ばされて5分を経過した』


「え…?」


『10年バズーカの効力は5分のはずなのに帰れていないこの現状…
故障か何かなのか?』




さらに混乱する目の前の男



『あ、腹減った』



そう言えば今朝の朝食ちょっと足らなかったんだよな



「あの、八つ橋持ってますが…」


『お、くれるの?ラッキー
サンキュー隼人!』


「え?!あ、は、はい…!!///(綺麗な笑顔…!名前呼び…!!)」



むふふー!八つ橋とか俺好きなんだよねー

ってか和菓子うまー幸せー!

二人で食べていたら落ち着いたようだ

俺も、隼人も




.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ