復活
□番外編
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担任と捜索
幼少期編
事件後
――――
「綱吉くーん!」
大きな声で教え子の名前を呼びながら園内を走り回る保育士
ここは並盛幼稚園である
今日も今日とてクラス一の問題児を探し回る担当保育士
問題児と言ってもそこまで酷い問題児という訳ではない
給食は残さないし、他の子と玩具の取り合いをしても直ぐに貸せるしいい子だし、お漏らしも一度もないし、言えばちゃんとできる子だし…
いいところを挙げると数えきれないくらいある子どもである
しかし大きすぎる欠点
それは……、逃走癖
ふと目を一瞬でも離すと何時の間にかいなくなっている
今回もまたやられた
「綱吉くーん!何処にいるのー?」
こういう子どもは大体一定の特定の居場所を持っている
そこへ隠れ逃げ込むものなのだがこの子は毎回違う場所にいる
頭のいい子どもなのだという事が分かる
そして毎回見付かればすぐに逃げるといったことはない
大人と子ども…見付かればすぐ捕まることを理解しているのであろう
まるで鬼ごっこの様だ
「恭弥くーん!」
あれは年長クラスの先生だ
この園のもう一人の逃走癖のある問題児
こちらは更に問題児である
集団行動を嫌い、自分がしたくないことは徹底してやらない
どうしようもなく困った生徒たちである
しかしこの問題児二人は最近とても仲がいい
何かあれば大体一緒にいる
集団行動を良しとしない恭弥君が唯一気を許している相手こそ綱吉君だけなのだ
「綱吉君もいなくなっちゃいましたか…」
「はい…恭弥君もですよね?」
互いの額からは汗が出ている
探し始めてかなり時間が掛かっている
頷き合い互いに協力しながら二人を見つけ出す
もしも…なんてことがあればそれは一大事
そのようなことが起こらない様に防ぐためにも一刻も早く見つけ出すために声を上げる
「綱吉くーん!」
「恭弥くーん!」
* * * * *
漸く見つかった二人は木の陰で仲良く二人でもたれ合いながら眠っていた
「「見付かった…!!」」
安堵のため息を着きながら胸を降ろす
全くこの問題児たちにはどれだけ手を焼けばいいのやら…、
それでも二人の可愛い寝顔を見ていると思ってしまうことがある
手の掛かる子ほど可愛い、と
全く…この子達はどのように成長していくのやら…
保育士二人は担当する子どもをお互いに抱き抱え園長室へ向かった
あそこならば園長もいるしゆっくり寝ていられるであろう
そんな暑い夏の日のこと、
セミの鳴き声が響いていた
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20140726