復活

□番外編
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新入りとボス


情報屋の夢主10年後の話
オリキャラ目線
____



ボンゴレに入ってもうすぐ一か月が過ぎるこの頃

まだまだ馴れない事だらけだが充実はしている

憧れであったボンゴレに入ることが出来た時は嬉しくて思わず声を上げて喜んだのも懐かしい記憶だ

俺に流れる派動は嵐属性だ

上司である、そして十代目ボンゴレボスの嵐の守護者で幹部の獄寺隼人様とは一度お会いしたことはあるが他の守護者の方やボスには一度も会ったことがない

噂話などは同期の人間や先輩から聞くがどの方も個性豊かな方だとか…、

それに皆若いらしく俺と同じくらいの年だとか

そんな人たちが上に立っているなんて凄いとしか言いようがない

俺とは住む世界が違うんだろうな…、



「おい、そこの新入り!ちょっと手貸してくれないか?」


「っ!はい!分かりました」



半年ほど働かない限りこの“新入り”という肩書きは外れないらしい

これは暗黙の了解だと先輩が教えてくれた

他の隊であった先程の人の手伝いを終え自分の隊へと戻ろうと道の角を曲がろうとした時、



ドンッ



誰かとぶつかった様で思わず尻餅をついてしまった

相手は悪いと言って手を差し伸べてくれた



「こちらこそすみません」



慌ててこちらからも謝罪を述べ、顔をあげる

そこにいた人は背が高くて蜂蜜色の髪をしたスーツを着た人がいた

俺の足元には眼鏡が落ちており自分のじゃないので彼のモノであろう



「これ貴方のですよね?」


『ぶつかった弾みで落ちちまったんだな、悪い』



黒縁のシンプルな眼鏡であったが年季が入っているようであった




『壊れてなくてよかったー、また修理に出すのは面倒なんだよなぁ』


「大切なものなんですね」


『そうなんだよね、中学ん時に貰って以来ずっと使ってんの
つっても伊達なんだけどな』



そういって彼は笑って見せた

その笑顔は凄く綺麗で思わず目を背けたくなった



「そういえばお急ぎだったのでは?」


『ゲッ、やっべ!
俺今追われてんの忘れてたわ…
んじゃ、またな!嵐属性の新入り君』


「え?」



彼はそのまま走って居なくなってしまった

なんで俺のことを知っていたのだろうか?

同期に彼みたいな人はいただろうか…?

それとも一つ上の先輩だったのだろうか?

まだ知らない人だらけだからそれもあり得るな…、

考え込む俺にまた新たな人間が目の前に現れた



「おい、そこのお前!」



走って現れたのは俺の上司である、獄寺隼人様



「は、はいっ!」



思わず固くなってしまうのは仕方ないことだと思う



「綱吉さんを見なかったか?」


「…えっと…?」



綱吉さん?…誰の事であろうか…?



「お前自分のボスの名前くらいちゃんと覚えておけ!
沢田綱吉、ボンゴレ十代目ボスのお名前だ!!」



しまった!つい雲の上の存在だと思って忘れてた

それに俺ボスの顔知らないし…、



「先程追われているって言っていた方ならお見かけいたしましたが…?」


「……その方の髪色は蜂蜜色をして眼鏡かけていなかったか…?」


「そうですね…、あ、でも眼鏡は伊達だと仰っていましたよ」


「…、はぁぁあああ」



獄寺隼人様は大きな溜め息を吐いて頭を抱えている

も、もしかして……?



「あの方は何を考えていらっしゃるんだ!!
同盟ファミリーのボスとの食事会があるというのに突然行きたくないと言い出したかと思えば何時の間にか逃走して……!!」



……うちのボスは自由人らしいです

あの後、獄寺隼人様はボスを探しに走って去って行きました

前お会いした時は怖いとか威圧感とか色々感じたが今はそんな風には感じず、寧ろ取っ付きやすい方なのだと感じられた

というか…どちらかというと苦労人のオーラを感じた

それにしても先程の彼がボスだとは…、

凄い方と俺は話していたんだなぁ

俺大丈夫かな…?失礼な事いってないよな…?



『いやー隼人のヤツしつこいったらありゃしないねー、
俺そういう堅苦しいの嫌だし、面倒だし、つまんないしでボイコットしてんのに酷いと思わない?』



ねぇ?と話し掛けてきたのは先程いなくなったはずの彼…基



「ぼ、ぼぼぼ、ボス?!」


『あら、俺の事ばれちゃった?』



先程の綺麗な笑みではなくイタズラが成功した時の子供の様な無邪気な笑みを浮かべていた



「よ、よろしいのですか?」


『そう固くなんなって!あ、俺のことは綱吉って呼んで?』


「い、いえ!そんな畏れ多い!!!」


『えぇえぇー…、いいじゃん
俺的にはそっちの方がありがたいんだけどなぁ』



そう言って顔を覗き込まれた

なんかオーラというか色気というかフェロモンというかもうなんだか分からないもののせいで顔中が熱い

湯気が出そうなほど熱いしなんか目が回って来た、頭ん中がグルグルして来た…、




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