復活

□どこであっても変わらない
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時間軸は10年前で恭弥とは右腕関係を結んだ少し後の話です
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『ここどこ?』



家に居た筈の綱吉は急に何処かに飛ばされてしまった



「10代目が小さくなられた?!」


「おお!可愛いのな」



目の前には自分の知らない人間がいる

それも綱吉を見る目が他人を見る目ではない



『…………おにいちゃんたちはだれですか?』



誘拐されたのではないだろうか、と考える綱吉であったがここはどうやらどこかの屋上

屋上に誘拐というのはまず考えられないと思いながらも警戒は解かない



「流石しっかりしてらっしゃる!」


「俺達の事は流石に分からねぇか」


「10年前っつーと今4歳くらいか?」



銀髪の男に黒髪の男の全身黒ずくめの赤ん坊

そして男二人は制服を着ている

嫌な予感がする綱吉は眉を顰めた



『…しつもんにこたえてください』



怪し過ぎる、そして見覚えのあり過ぎる目の前人間達



「す、すみません!俺は獄寺隼人です!
10代目の右腕です!」


「俺は山本武!よろしくな、チビツナ」


「俺はリボーン、未来のお前の家庭教師だ」



予想が当たった綱吉は視線を一切合わせず下を向く



『……うちにかえしてください』



嫌な予感はまだ収まらない

どんどん綱吉は小さく蹲って行く



「そう言われても生憎今は帰れねぇんだ」


「アホ牛のバカが10年バズーカ壊しやがって…」



目線を合わせてしゃがむ黒髪にそう言いながら舌打ちをする銀髪

綱吉の頭には警告音が響いている



「ツナの事だ、ガキの頃は人見知りで泣き喚くかと思ったんだが案外冷静だな」



表情を変えずそう言い除ける赤ん坊

恐い、恐怖でしかないと思う綱吉の視線は下を向いたまま

何処か疑念の目を向ける赤ん坊の視線を逃れるためのものである



『……いつかえれますか』


「なんかその話し方違和感を感じるのな」



いつもの癖で敬語交じりの口調に黒髪が首を捻っている



「でも流石10代目!とてもかわいらしいお姿!」



銀髪は拳を握りガッツポーズをしてしる

どこか興奮している様である



『…はなしききてくれないのならぼくにはなしかけないでください』


「ツナらしくないな…なんか、」


「…」



黒髪の男の呟くそれを聞きながら綱吉は目を瞑り、耳を塞ぎ、体操座りをしながら顔を埋めた

まるでこの世界を拒絶するかのように、




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