復活

□どこであっても変わらない
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「ねえ、君達何群れてるの?
咬み殺されたいの?」



突然現れたのは群れることを許さない最強の風紀委員長

その声に、その気配に思わず綱吉は顔を上げた




『恭弥!!』



自分の知っている恭弥は自分と同じく幼稚園児であるがそんなこと頭から抜けるほど綱吉は混乱していたのだ

自分の一番の親友である、右腕である恭弥がいる

それだけで綱吉にとっては心が落ち着くのだ

それなのにどうしてこんなに警戒音は更に大きく響くのであろうか、



「?誰、君?
というか不法侵入だよ」



徐々に眉間に皺が寄る風紀委員長

彼は目の前に歩み寄って来る綱吉を見下ろしながらそう言う

女子供であろうと容赦はしないのが彼なのである



『恭弥!俺ここ嫌だ!恭弥の傍がいい!』



恐い、怖い、コワイ

綱吉の心にあるのはその言葉だけ



「ん?雲雀のこと知っているのか?ってか恭弥って…」


「話し方が変わられた…?」



困惑する黒髪や銀髪の声は綱吉には届かない



『恭弥!行かないで!俺の傍にいるって約束した!』



腕を必死に伸ばす綱吉

瞬きの回数は増えて行き焦る声はだんだん大きくなる



「何言ってるの?離してよ、邪魔」



突き刺すような冷たい目を目の当たりにした綱吉

何かが壊れる音が綱吉の中に響いた



『っ!!』



目に涙を浮かべプルプルと震えだした



「「「?!」」」



そんな綱吉の様子に驚いた周りであった



『っきょーやぁあああのおおお!!ばかあぁああ!
なんでそんなこと言うの!!うっぐ!もう!知らない!』


『ふえぇえええええん!
ここどこだよぉおおお!きょうやぁああ!』



大量の涙を零しながら泣きじゃくる綱吉に流石の風紀委員長も驚いた様子



「ちょっと、いきなり泣かないでよ
意味分かんない」



迷惑そうに眉を顰めた顔を見た綱吉は更に訳が分からなくなっている



『きょうやぁああ!どこぉおおお?もうやだぁああ!くらっ?!
やぁ、一人にしないっでよぉお、寂しい!
苦しいよ、やだやだ怖いこわいこわいよ!や、見え、見えない!?
きょうや、ッゥハッ…きょうやどこ、やだきょうや助けて、コヒュ…ひとりにしないでそばにいて怖いくるし…ハァウッ!』



頭を抑えながら蹲って行く綱吉

“恭弥”に拒絶されたと言う事実が綱吉の心を侵食していく

最も信じる者からの拒絶

まだ幼い綱吉にそれをコントロールする力はない

もう十年あれば違っていたかもしれないが今の綱吉には自分を慕う“恭弥”しかいないのだ





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