復活
□居場所
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一頻り泣いた綱吉は恭弥から離れた
赤い目をしながら恭弥にしか見せないようないつもの顔で笑った
『すっきりした!』
「そう、よかった」
『俺さ、多分来年も再来年もこの日にここに来ると思う』
「うん」
『そんで今みたいに自己嫌悪して泣いてすっげぇ弱くなると思う』
「…うん」
『だから、そん時は一緒にいて欲しい…っつーか、傍にいて欲しいっつーか…』
煮え切らない物言いをする綱吉の視線は行ったり来たりで恭弥の事を見ていない
照れているのだろう
「…しょうがないから傍にいてあげる」
『!』
「ほら、帰ろう
雨のせいで体冷えたでしょ?ホットミルク作ってあげる」
『ハチミツたっぷり?』
「特別にね」
『やりぃ!』
帰り道雨は上がっていた
まるで綱吉の心のもやもやが晴れた様であった
来年も再来年も綱吉はまた弱くなるだろう、それでも傍にいると誓った
無力でも傍にいることは出来る
むしろ傍にいて欲しいと綱吉からのお願いなのだ
何年でも傍にいよう、綱吉の右側は僕だけの居場所なのだから
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