復活

□巡り合わせ
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『ん…この空間はなんだ?』



急に眩しくなったかと思えばどこか広い空間に飛ばされたみたい

何もない広い空間



「綱吉」


『恭弥か、他の皆はどうしたんだ?』



隣にはいつもいる右腕の恭弥

他の皆はいない様でここではないどこかにいるのであろう



「分からない…何かいる」


『ああ、』



光る人型が浮かんで現れたかと思えばその姿は一度見たことのある人物

そして何度も調べた偉人



「デーチモ、か」


『初代ボンゴレ…プリーモ』



対面し会話をした記憶はあの時はあまりない

あの時はオレンジ色の死ぬ気の炎にグローブを付けていたが今はそのようなことはなく金に輝く髪に黒のコートを着用している



「…」



恭弥はいつでもトンファーを出せるように手に掛けている



「そう警戒せずとも何もしない」



そう言いながらプリーモは動く気配はない



『他の皆は』


「それぞれの守護者同士で話しているであろう」



一度俺達から視線を外し再び視線を合わせた



『何故俺達は同じ空間に?』


「お前達は“違うだろ”?」



視線と視線がぶつかる



「……そういうことね」



恭弥はトンファーから手を引き警戒を少し緩める

俺も警戒を少し緩める



『成る程な…だからそんなに“嫌悪感を俺達に抱いているのか”』


「……」



プリーモの目に浮かぶ異常者を見る様な目



「嫌悪感丸出しのその目、気に入らないね」



恭弥は視線を合わせることなく不機嫌そうだ



「…お前達の事はこの世界に来た時から見ていた」



恐らくこの世界に入って来た時から見ているのであろう

仕組みはどうなっているのかは分からないが



『プライバシーってねぇのか?』



おどけてみせるが何の意味もないし効果もないのだろう

寧ろさらに嫌悪感を抱くのかもしれないな、逆効果だったかも



「お前達の関係は異常だ
分かっているのか?」


『それがどうした』「それがなんだって言うの」


「!!」



眉を顰めながら言うプリーモに俺も恭弥もそう即答する

驚くプリーモの眉間には更に深い皺が寄った



『異常、異様、異端、異質…どれもこれも分かっているし理解しているし過去に何度も言われてきた』


「それでも僕たちはこれでいい、このままがいい」



何度も何度も考えたし、何度も何度も考え直した

それでもこうするほか道はなかった



「それでお互いがお互いのせいで傷付く結果になったとしても…か?」


『構わない』「勿論」



俺は自覚したのは随分昔だった

恭弥が自覚してない分さらに俺は何度も何度も自問自答を繰り返してきた

こうする他考えが浮かばなかったのだ




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