復活

□好奇心は猫を殺す
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過ごしやすい秋が過ぎ季節は冬になった

少し肌寒いと感じるこの季節

そんな穏やかな昼下がりにカミナリは落ちた



「こんの!!!
綱吉!!!」


『ちょ!わ、悪かったって!』



言い訳無用で容赦なく落ちるカミナリにビクビク怯える俺、沢田さんちの綱吉くんです

何をやらかしたかっていうと…まぁ、部屋を片付けてなかったっていう…

祝日で月曜日が休みだしと思って金曜の夜から部屋に籠って大口の仕事をしていたら気が付いたら書類だらけのカップラーメンやら栄養補充の食べ物の袋やお菓子の袋やらペットボトルやら…

経った2日と少しでここまで汚れてしまった

といっても未来行ってる時よりはまぁましかなってレベルなんだけどなぁ…俺的には

だがしかし潔癖症の恭弥にはそんなことどうでもいいらしく大人しく正座をしながら説教を受けております

なんか妻が旅行行ってる間片付けをしなかった旦那の気持ちが今すごい分かる気がする

恭弥はキレながら片付け始めたので俺も見習い片付けて行く



「何コレ」



怪訝な目をした恭弥はあるものを手にしていた



『あー…、なんかはわかんねぇけど厳爺に貰ったヤツ』


「ふーん」



そういいながら興味なさそうに恭弥は机に置いた

しかし机の上に置いたはずのそれは転がってしまい床に落ちた



ボフンッ



『?!』



不意打ち過ぎて何が何だかわかっていない俺

急に音がしたかと思えば煙が漂っている



『恭弥?!』



煙が晴れて行くとそこには恭弥がいた

いたにはいたのだが…さっきまでの恭弥とは明らかに違う

なんというか…体が丸みを帯びている気がするっていうかちょっと身長縮んだっていうか…?



「何コレ…」



何が何だか分かっていないのはどうやら恭弥も同じなようだ

異常がないか体を触っている恭弥が固まった



「…は?」



どんどん青ざめていく顔色に流石の俺も焦った



『え、どうしたの?!なんかあったの?!』


「綱吉、今すぐ電話して聞いて
なんだったのか嘘偽りなく答えろって!!」


『は、はい!』



パニックになっている恭弥にそう急がされて慌てて厳爺に電話をした



『……女体化のガス入りいぃいい?!』



電話の向こう側では笑う声がしている

思わず俺は恭弥を見る



『…まじ?』


「………まじ」



肩を落す恭弥に思わず同情してしまった

っていうか何でそんなもん俺に黙って渡したんだよあの爺!

俺が使って遊びたかったのに!

聞けばただの女体化のガスだけでなく一時的に思う様に体が動かなくなっているらしい

つまりいつもの自分の体の様な動きが出来ないらしい…、

それはもう…清々しいほどに動かないとのこと…

この発明したガスの名前が“ドジっ娘”というらしい

あの爺本当に馬鹿じゃないの?!

このことは触れない方がいいかも…?

流石にドジっ娘はなぁ…、



『なんか他に異常とかない?大丈夫そう?』


「別に…、特に何も
いつもと変わんない」



一歩も動いてないからこそ何もないのかもね!

効果は12時間

そんなに長い間っていう訳じゃないし、と恭弥は気にせず作業を始めた

厳爺の訳分からん作品に慣れているせいか何事もなかったかのように過ごす恭弥

順応性高すぎて俺何も言えない




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