復活

□あざと可愛い奴め
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綱吉は一度仕事場に行き子供用の服に着替えた

何故子供用の服があるかと言うと、白狐に着て貰う様に綱吉が作ったものがあったのである

まさか綱吉自身も自分で着るとは思っていなかった

先程まで身に着けていた服は一応持って来た綱吉は並中へと向かった




*  *  *  *  *




ペタペタペタという幼児特有の効果音が付きそうな歩き方で歩く綱吉



『ひりょくかんじりゅんでゃにゃ、こりぇでゃと(広く感じるんだな、これだと)』



授業を終えた学校と言うのはとてつもなく静まり返っている

微かに聞こえる運動部の声がグラウンドに響く

誰にも見付からない様に並中に侵入した綱吉

その方法は綱吉にしか分からない秘密の方法

そして辿り着いた目的地である応接室



『きょーや!!』


「?!!?」



足を思い切り伸ばしてギリギリ届いたドアノブを頑張って開けた綱吉

開けたと同時に満面の笑みで大事な右腕の名前を呼ぶ

そして目を見開いて驚く右腕



「…………」



驚きのあまり声も出ない様子



『きょーや?』



反応がないため傍によって行く綱吉

その様子を徐に見つめる恭弥の目はどこか虚ろ

そして自身の愛用する携帯を取り出した



「ヘルプミー、」



完全なるキャラ崩壊もいいとこの恭弥

どこか遠くを見つめながら魂はどこかに飛んで行っているようだ

電話口では必死に説明を求める声が聞こえるが恭弥は反応できずにいる



「ちょっと恭弥君?!どうしたか聞いてるんですけど?!」



声はあまりに大きかったため聞こえた

その声はあまりにも聞き覚えのある声



『ありぇ、むくりょー?(あれ、骸ー?)』



そう、俺の信頼する男の声であった

放心する恭弥の体によじ登り電話を強奪する



「え、子ども?恭弥君のとこに子どもがいるんですか?というか僕の事知ってるんですか?」



戸惑う骸の声は段々早口になっている



『やっぱりむくりょだー!(やっぱり骸だー!)
なんできょーや、むくりょにでんわちたの?(なんで恭弥、骸に電話したの?)
…きょーや!むちちないでー!(恭弥!無視しないで!)』



放心する恭弥の顔をペチペチと力なく叩くが効果はない

無視すんなよこらぁ!



「随分と小さい子ですね、舌っ足らずで可愛らしいです」



クフフと笑う骸

こう見えて骸は子ども好きでよく家にいるチビ達の相手もしてくれる

その声に漸く反応した恭弥



「今すぐ応接室に来てこの子の相手してあげて
僕には無理」


『きょーやのけちー!
あいちぇしりょよー!(相手しろよー!)』



恭弥と格闘している電話の声が二重に聞こえた




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