鳴門

□犬と猿
2ページ/5ページ




「緑様も結構有名で憧れて暗部に入ってお近付きになりたいってヤツいますよ?」


「嘘!?全然知らなかった!
えー?!可愛くて有名になっちゃったのかしら?!」



面をしながらきゃきゃと楽しそうに立ち上がってクルクル回る緑


見た目はかなりシュールな絵である


そんなテンションの上がっている緑の元に来訪者が現れる




「常時面付けててなにが可愛くて有名なんですかね、拷問狂の緑様」




詰所の扉に背を持たれながらゲンマと緑を横目で見る来訪者




「…あーら誰かと思えば食べることしか能がないみたらしアンコ特別上忍じゃないの?
そういえば蛇に噛まれた体はどうかしら?」




明らかに不機嫌になる緑


来訪者は緑の天敵と言っても過言でもない女―みたらしアンコ




「お陰様ですっかり癒えましたよ」



第二次中忍試験中に受験者と偽り潜入していた大蛇丸と交戦したアンコは負傷してしまった


そして暫くの間入院生活を強いられていた




「それはよかった
これ以上動かないと底が抜けるほど太るものねぇ」


「冗談はそのいかれた趣味だけにしてくださいよ」


「私、冗談嫌いよ?貴方の次にね」


「「うふふふふふ」」




お互いから発せられる殺気のせいかとてつもなく寒い詰所である


ビリビリと火花が散っているように見えるぶつかり合う視線


ヒッソリ緑を見ていた連中は何時の間にか尻尾を巻いて逃げ出している


それに倣いゲンマは少しずつ出口の方へと足を運ぶ




「こいつらもう嫌、俺出て行ってもいいよな…?」




ボソッと呟いたゲンマの独り言




「「誰が出て行ってもいいって言った?」」


「ひぃ?!」




両肩に二人の思い切り握る手が掛かる




「ねぇ、ゲンマ
私そんなに太っていないわよね?」


「ねぇ、ゲンマ
私の趣味ってそんなにいかれてる?」




アンコの方はとてつもなく素晴らしく引き攣った笑顔


顔は見えないであろうが恐らく緑の方も同じだろうと言う面の奥に見える目




「え…あー…、」




ゲンマは目を泳がせ何とも言えない様子


冷や汗を流しながらなんというべきかを思考中…、




「「はっきり言いなさいよ!!!」」




ゲンマに詰め寄る二人の元に救世主が現れた




.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ