稲妻

□呼び方
3ページ/4ページ

ぼーっと不動を見ていると


「んなこっち見んなよ、鬼道ちゃん。」


「わっ、悪い。」


……………………………。

ん?

今日なんか呼び方毎回違わないか?

鬼道とか鬼道くんとか
有人とか鬼道ちゃんとか……。


「何故俺の呼び方が毎回…?」


気になったからつい聞いてしまった。


「あー…、アレだ。」


どれだよ。


「一番しっくりくるの探してた。」


どうしよう。可愛すぎる。


「何が一番しっくりきたんだ?」


「やっぱ、普通が一番だ。」


ですよね。

名前が一番しっくりくるって
言って欲しかった事は忘れよう。


「あーでも、二人っきりの時は
有人って呼んでもいい?」


………………………。

今なら死んでもいいかもしれない。

下を向いて悶々としいている俺に、


「有人………?」


心配そうに見つめる不動。

あ、可愛い。

じゃなくて!!

不動が呼んでくれるなら俺もっ、と思い


「明王。」


初めて呼んだ気がする。

案外恥ずかしいものだ。

ふと不動を見ると


「〜/////!?」


顔が真っ赤になってた。

予想外だったみたいだ。

名前呼ぶだけでこれ程になったら次に進むにはまだまだ
時間がかかりそうだ。


END
→後書き
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ