稲妻

□願いを込めて
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窓から見える世界。

普段なら上を見て空を眺める。

しかし、春風に吹かれる空を見るのではなく少し下を見ている。

毎日少しずつだが成長しているようだ。

なにげないこの一時が凄く好きだ。



―――――……



人がどんどん帰って行き、
教室にはもう私一人きり。

あと少し………………。


「おい。
お前は一体何時まで
そうしているつもりだ。」


返事が返って来る事はない。

分かってはいるが話掛け続ける。

「早くしろ。
私は願掛けしているのだぞ?」


暫く見つめると頭の中では
毎回同じ事を考えている。

足音が聞こえる。

だんだん近くなっている。

ガラガラガラッ


「はぁはぁ……。
わ、悪りぃ!!遅くなった。」


「………………次遅れたら置いて行く。」


「げッ!おい、まじかよ。
悪かったって!!」


そして、教室には誰もいなくなった。


「(もう少しで咲くよ。
気持ち伝えて……?)」



END
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