稲妻

□貴方だけ
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鬼道side


フィディオから貰ったサングラス。

総帥が死んだ……?

そんなはずがない。

昨日漸く
わだかまりがなくなって
通じ合えたと思ったのに……。

総帥のサッカーが
理解出来たのに……!!

どうして………?

どうして、どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして……?

どうして手の届かない所へ行ってしまったんですか……!!

総帥!!


不動side


鬼道が影山総帥のサングラスを
握り締めたまま動かない。

ずっと影山を
見てきたあいつには
この状況は辛いと思う。

師であり、父であり、
そして想い人であった
大切な存在を亡くしたのだ。

今の俺には何もしてやれない。

辛い思いを代わってやれない。

だからせめて………。


「泣けば?鬼道くん。」


「!!
俺は…………。
泣かない。」


強がりな鬼道くん。

我慢してるのがバレバレ。

眉間に皺を寄せている。


「後ろ向いてるから、俺。
好きなだけ泣け。
側にいてやる。」


「!!ふ、どぉ……!」


背中越しにゆっくりだが
すすり泣く声が聞こえる。

受け止めてやるよ。

お前の抱えてるもの全て。

だから、今は全部吐き出せ。

そうすれば楽になれるから。

何も出来ない俺だけど、
側に居てやることは出来る。

支えになってやれる。



END
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