稲妻
□弱音
2ページ/4ページ
だからあんな無茶な練習してたのか。
怪我でもしたら試合どこではなくなるのに。
不動は声を押し殺して泣いていたが次第に聞こえなくなった。
まさかと思い不動の前に行くと
「スーッスーッ……。」
疲れて寝てしまった様だ。
目の辺りが赤くなっていた。
よく見ると傷だらけだ。
フッと微笑ましく感じた。
このままにしておく訳にもいかないので
不動をおぶって部屋に戻った。
「(柔らかい…。)」
ふわふわの髪が首に掛かり少しくすぐったい。
―――――……
不動side
気が付くと自分の部屋にいた。
おかしい。
練習して疲れて座り込んだ所までは覚えてる。
自分で帰って来たのか?
ふと横をみると
スポーツドリンクが入ったペットボトルと紙切れが置いてあった。
―――――……
あんまり無理な練習はするな。
怪我でもしたら大変だ。
辛いならちゃんと相談しろ。
皆お前の事受け入れてるから。
一人で背負い込むな。
これでも飲んで休め。
豪炎寺