稲妻

□甘えたい年頃
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「ねぇーねぇー、こじにぃ。
ゆとにぃちゃは?」


明王にはもう一人兄がいて一回り違う有人と言う。


「有人は部活の後にスーパーに寄って帰るから今日は俺だったんだ。」


朝冷蔵庫に何もなかったからな。

有人には悪いが買い物に行って貰った。

俺より分かってるからな。


ちなみに両親は海外にいる。

二人とも一ヶ月に一回ぐらいで帰って来るけど。


「にぃちゃー…。だっこして?」


「どうした?
いつもは言わないのに。」


「だってね、だってね。
おむかえにくるね、
まもるくんのママもね、しゅーやくんのぱぱもね、
みんなだっこしてもらってたの。だから……。」


やはり親がいないのはいけないみたいだ。

俺よりもこいつにはまだまだ必要なんだ。


「明王、おいで。」


「ほんと?わーい♪」


普段中々甘えないから少し戸惑ったがやはり年相応の可愛い子供だ。
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