稲妻
□夜風に吹かれ
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風が丁度よく身体を冷ます。
優勝を目指して戦っていた皆の姿を
目に浮かべながら夜のグラウンドに立つ。
あれほど素晴らしい試合は見た事なかった。
一生忘れることの出来ない試合だった。
ゴール前にぽつんと置きっぱなしになっているボールを見つけた。
いつもは見ているだけだったが
初めてて蹴ってみた。
少し蹴っただけなのに変な方向へと跳んでしまった。
追い掛けていき、ボールを止める。
何気ない動作だったがなんとも言えない心の高み、
心臓が凄い速さなのがわかった。
今までマネジャーとして選手をサポートしていたが、
今は自分が選手である様な気分だ。
暫く一人でドリブルして走り回っていると、
「何をしている。」